2011年7月11日月曜日

MBO失敗の本質

[タイトル]
MBO失敗の本質

[著者]
ハリー・レビンソン

[掲載]
DIAMOND ハーバードビジネスレビュー編集部監訳:新版 動機づける力 モチベーションの理論と実践, pp.103--139, 209

(日本語原典)Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2003年4月号

(英語原典)
Harry Levinson: "Management by Whose Objectives?", Harvard Business Review, July, 1970.

[アブストラクト]
「目標管理制度」(MBO)はほとんどの組織で導入されているが、単にマネジャーのプレッシャーを高めているだけ、目標シートも所詮は画餅にすぎないといったマイナス面が現場から指摘されやすい。
その背景には、業績評価指標を過剰に重視したり、組織と個人の目標が乖離したりしていることがある。
本稿は、MBOを効果的に実践するための3条件、そして、前提として踏まえておくべき3要素について解説する。

[キーワード]
MBO、モチベーション

[要約・感想]
MBOが形骸化するのを頻繁に見るにつけ感じていることをまさに言葉に表した論文。

MBOの有るべき姿とは、あくまで「本人がどのような自己実現を成したいのか」と「会社がどのような成果を出して欲しいのか」とを融合し、双方に納得感を持ってもらうようにすること。

しかし実際には、「本人がどのような自己実現を成したいのか」という視点が欠けたMBO制度が多く、そもそも自己目標シートを書くこと自体が負担感を増大させてしまっている。

そもそも
MBOを導入する前には、次の三つのことを抑えておくことが必要!
(1) 理想自我の理解・・・人は本質的に「理想的な、あるべき自分の姿」を無意識に描いている、ということを理解する。
(2) 部下による自己検証・・・「自分とはこういう人間である」ということをメンバに自覚させる。
(3) 上司による自省・・・徹底した自問自答を繰り返す。怒りや失望を感じたとしても、部下に批判的な態度を取るのではなく、自分自身の失望感を表明するのにとどめたり、なぜ、そうなったのかを徹底的に考える。そうすることで建設的な関係性を確立できるようになる。

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