2011年5月31日火曜日

主観的な職業威信とPro-Social行動—消防官をサンプルに用いた検討—

[タイトル]
主観的な職業威信とPro-Social行動—消防官をサンプルに用いた検討—

[著者]
堀 洋元, 鎌田 晶子, 岡本 浩一

[掲載]
社会技術研究論文集, Vol.3, pp,118-127, 2005.

[アブストラクト]
ある職業に就く人それぞれが職業に感じている誇らしさを主観的な職業威信といい、主観的な職業威信を高く保つことによって組織内の違反防止が促進されると考えられる。本研究では、消防官を対象として取り上げ、彼らの主観的な職業威信について検討した。研究1では消防官の主観的な職業威信を探索的に検討し、一般市民との結びつきが誇りの高さに影響を与える可能性を示した(n=73)。研究2では、消防間の主観的な職業威信の構造が一般有職者のものとは異なることを示し、さらに、主観的な職業威信の高さが組織におけるPro-Social行動(組織のためになる行動)と関連することを示した(n=187)。これらの結果から、高邁な職業意識が違反防止に活用可能であることを提言する。

[キーワード]
主観的な職業威信、組織的違反、消防官、Pro−Social行動、Nobless Oblige

[要約・感想]
いろいろと前段部分の論述は突っ込みどころが満載な論文。ワロタ。

まさにタイトルに書いてあることの方が正解で、下手に違反や隠蔽と絡めて議論しないほうがよかったのに・・・。

研究としては、結局は消防官の職業意識と組織市民行動との関連性を調べているもの。まあ、それはそれでよいとは思うが。。。
(論文では「誇り」と言っているが、項目だけみれば、これは「誇り」ではなく「自分の仕事をどのようなものと捉えているか」だと思う。だって、論文の中でも「誇りに影響を与えている要因」と言ってるんだもの。つまりは、これらと「誇り」は因果関係にあり、基本的に相互に別概念である、と言ってる)

まあまとめると、
消防官は自分の仕事を
「社会に貢献するしごとかどうか」「社会的に認められているか」
「やりがいがあるか」「知識や技能を活かせるか」「家族に求められているか」
と関連する因子
(「承認とやりがい」因子)

「人を幸せにしてあげられるかどうか」「人に感動を与えられるかどうか」
と関連する因子
(「社会的奉仕」因子)

2つの因子(観点)で捉えているといえる。
そしてそれぞれの因子で、
組織市民行動との相関が若干弱いながらも有意であった

ということ。考察は勝手にしてください、という感じ。

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