2011年5月13日金曜日

上司による効果的なほめ方・叱り方等に関する研究(I)—上司-部下間の関係性の観点からの実験的検討—

[タイトル]
上司による効果的なほめ方・叱り方等に関する研究(I)—上司-部下間の関係性の観点からの実験的検討—

[著者]
山浦 一保、堀下 智子、金山 正樹

[掲載]
産業組織心理学会第24回大会発表論文集, pp.13-16, 2008.

[アブストラクト]
None

[キーワード]
ほめ 褒め 関係性 上司 部下

[要約・感想]
まとめると、、、

上司—部下の関係性がよい場合には、
(1)ポジティブなフィードバックを受けると、普段の関係性と一致しているので、部下は上司との安定的な相互作用を確証でき、結果として、部下は職務に集中しモチベーションが高まるだろう。
(2)なんらのフィードバックも受けないと、普段の関係性と一致しないので、部下は上司に対して疑念や仕事に対する方向性の曖昧さを感じ、結果としてモチベーションを低下させるだろう。場合によっては、自分の仕事のパフォーマンスに対する上司の関心や期待の低下を感じ、暗黙の叱責を受けた気分になるかもしれない。
一方、関係性が低い場合には、
(1)ポジティブなフィードバックを受けると、普段の関係と一致しないので、上司の対応が一貫していないと認知し、部下のモチベーションを向上させることはないだろう。場合によっては低下させることになるかもしれない。 (※ちょっと、ここでモチベーションが低下するプロセスは、もう少し理論的な結びつきが必要な気がする。なぜ、上司の対応が一貫していないと、モチベーションが下がるのか、の因果の関係のピースが足りてない気がする)
ということが考えられる。
そこで、このことが成り立っているかを確認するための実験を行った。
実験の結果、良好な関係を築いているからこそ、上司は部下の日ごろの努力や取り組みに即して評価しなければ、その部下の熱意や継続的な責任感を低減させること、暗黙のうちに叱責を受けた気分にさせてしまうことが認められた。また、褒め行動の効果を十分に発揮するためには、関係性が良好に保たれていることが必要条件であるといえる。

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