2011年5月17日火曜日

スチュワードシップ理論に基づくNPOのマネジメントの検証

[タイトル]
スチュワードシップ理論に基づくNPOのマネジメントの検証

[著者]
柏木 仁、東出 浩教

[掲載]
ノンプロフィット・レビュー, Vol.5, No.1, pp.29-42, 2005

[アブストラクト]
本研究では,スチュワードシップ理論で示唆される組織運営に関する要因がNPOのパフォーマンスを向上させると仮説をたて,中規模NPOの中から無作為抽出した200法人に対して質問票調査を実施(回収率57%),定量分析により仮説の検証を行った.結果,スチュワードシップ理論を基に構築された要因は,パフォーマンスの中でも,特に,人材の成果といえるソフト・パフォーマンスの向上に寄与することが示された.具体的には,使命の共有はパフォーマンスの向上に最も強く貢献し,意思決定への参加,情報収集・能力形成は,ソフト・パフォーマンスと組織の効果性を高めることに強く寄与し,フィードバックは,ソフト・パフォーマンスの向上と会員数の増加に寄与していた.自律活動の奨励は,ソフト・パフォーマンスに加え,総収入の増加率,組織の効果性を高めることにも寄与していた.本研究は,中規模NPOにおける参加型マネジメントの検証となった.

[キーワード]
非営利組織, スチュワードシップ理論, 組織パフォーマンス, 従業員参加型の組織運営, 使命の共有、自己実現、内発的動機付け、成長、達成、パフォーマンス、愛着的コミットメント、組織市民行動、ジョブデザイン、
[要約・感想]
NPOのマネジメントについて論じたもの。
全体として、NPOを対象にアンケート調査をしている、という点がポイント。モデルや仮説自体は「NPOだから」という点はあまり反映されていない。
背景で結構まとまって、そこそこの内容をうまく説明している。このあたりは勉強になる。
特にスチュワードシップ理論なるものは初めて耳にした。

結果の面から行くと、パフォーマンスという点で「愛着的コミットメント」「組織市民行動」が挙げられている点、説明変数で「使命の共有」を挙げている点はなかなか面白い。また、「使命の共有」がこれらに強く影響を与えていることも示されている。
特に、NPOの組織メンバについてはこれが言えたということ。

多分、これは一般の組織でも言えることなんじゃないかなぁ〜。。。

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