2011年6月15日水曜日

ポジティブ感情と会話動機の関連―快楽的随伴性理論(the hedonic contingency theory)からの検討―

タイトル title
ポジティブ感情と会話動機の関連―快楽的随伴性理論(the hedonic contingency theory)からの検討―

著者 Author
藤原 健, 大坊 郁夫

abstract abst
本研究は、個人の感情状態と会話動機の関連について、ポジティブ感情と動機づけの関連を説明した快楽的随伴性理論を応用することで検討したものである。具体的には、他者(初対面・親友)と会話する際、初対面の他者では高覚醒ポジティブ感情で会話を始めることが自身のポジティブ感情の維持を予測させるため会話動機が高まると予測した。一方の親友では、他の感情出会っても会話がうまくいくと思うため、高覚醒ポジティブ感情以外でも会話動機が高まると予測した。本調査では、予備調査で抽出した4つの感情エピソードを用いて153名の大学生に対して場面想定法による質問し調査を実施した。その結果、初対面の他者との会話では高覚醒ポジティブ感情が最も良いと思われていること、および親友では低覚醒ポジティブ感情も良いと思われていることが明らかになった。しかし会話動機については、高覚醒ポジティブ感情のほうが低覚醒ポジティブ感情よりも有意に高かったが、初対面と親友との間に交互作用は見られなかった。これについて、感情状態と行動との時間的近接性の点から考察された。



引用元 Jounal Name, Vol. , No. , pp. Year
対人社会心理学研究, Vol.9, pp.73-79, 2009.

keyword Keyword
ポジティブ感情、覚醒 会話動機、快楽的随伴性理論、場面想定法

独自のkeyword Keyword
レジリエンス、ポジティブ感情とパフォーマンス

要約・感想 Report
快楽的随伴性理論なるものの存在を知れたという点で意味のあった論文。

この理論について、簡単に、この論文にあることをまとめると、
[命題]
ポジティブ感情が、典型的でない潜在的な関係性をはっきりと見抜くかという、創造的課題のパフォーマンスを高める、といった思考の柔軟性や創造性を促進する。


[前提]
人にはポジティブ感情を維持したい、という動機が存在している。


[プロセス]
創造的でいることが課題の成功につながると考えられ、それによるポジティブ感情の維持が予測されるとき、課題に対する動機づけが高まりポジティブ感情によるパフォーマンス向上効果が見られる。
逆に、ポジティブ感情の維持が予測されないときには、パフォーマンス向上効果は見られない。


なとなく、
・「課題遂行に対する積極性」(課題遂行に対する動機づけ)が思考の柔軟性・創造性をうむ。
・そのような動機づけは、外的刺激によってもたらされたポジティブ感情によって高まる。
ということなのか?もしそうだとしたらすごく面白いかも。

気分一致効果とかとも関連がありそう。

ちょっとよく調べてみようか・・・。

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