2008年12月24日水曜日

ブレーキ操作解析による列車運転士の異常検出の検討

タイトル
ブレーキ操作解析による列車運転士の異常検出の検討
著者
長谷川 靖, 綱島 均, 丸茂 喜高
abstract
(1)鉄道運行における事故の予防のために、運転員の「不安全な運転行動」を事前に検出できる方法が必要である。そこで、運転士の運転操作から上記を検出する方法を検討する。

(2)特に以下の2つの仮説を立てた。
【A】運転士が正常な状態ではない場合、ブレーキのスムースな調整(ノッチ投入、緩めの操作の仕方)が行えなくなる。(すなわち、ノッチの変更の大きさや変更の頻度が多くなる。
【B】運転士が正常な状態ではない場合、ブレーキの修正が遅れたり不適切となり、実減速度が理想的な減速度に収束しなくなる、あるいは、収束するのに時間がかかる。(すなわち、各レベルのノッチを適切な時間配分で投入するということが難しくなる)。

(3)この仮説が実際に成り立つのであれば、ブレーキの操作量(ノッチ変更の頻度や向き)計測、あるいは、実減速度の計測をすることによって、運転士が正常な状態か異常な状態かを推察できる。

(4)シミュレータを用いた実験の結果、Aについては、熟練した運転士の場合、体に染み付いた癖があるので、ノッチの変更の頻度や変更の向きは、注意量が制限された状態でも違いがないため、Aの仮説は成り立たない。一方、Bについては、注意量が制限された状態と制限されていない状態とで、明確な違いがある可能性が示唆された。

(5)この結果から、Bは、うまく使うことにより、運転士の状態の異常(←パニックになっていたり、他事を考えていたり、で運転に向けられる注意量が低下している状態)を検出できる可能性がある。

引用元
第15回鉄道技術・政策連合シンポジウム講演論文集, pp.225-228, 2008

keyword
ヒューマンファクタ, マンマシンシステム, 運転行動

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要約・感想
とにかく、内容よりも論文の体裁がグダグダな論文。ただ、中身は面白い。特に、上記のBの仮説は、今後、何かに応用できるのではないか?

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