2008年12月19日金曜日

安全教育としての危険体験の展開

タイトル
安全教育としての危険体験の展開
著者
中村 隆宏
abstract
「危険体験」をはじめ「体験型教育」、「体感教育」といった安全教育手法が注目されている。その内容や手法は多岐にわたり、今後ともさまざまなに発展する可能性を示している。一方で、今後の普及およびさらなる発展のためには、どのようなコンセプトに基づく教育であるべきかといった議論が不可避であり、危険体験という教育手法についてその成り立ちや経緯、実施上の問題点や課題についても検討・整理する必要がある。

 本研究においては、さまざまな展開を示しつつある危険体験教育について、安全教育としての実質的な効果を高め有効な教育手法としての発展の方向性を探る観点から、危険体験教育を実施する教習機関などへの聞き取り調査を実施した。本稿では、調査結果の報告を含め、教育手法開発の背景、教育実施上の課題など、危険体験教育の問題点と今後の展開について検討する。
引用元
安全工学会誌, Vol.47, No.6, pp.383-390 (2008)
keyword
安全教育, 危険感受性, 体験型教育, 体感教育
独自のkeyword
体験教育の実施に対する心構え
要約・感想
全体として、体験型教育を実施する際の心構えを説明した論文。

特に強調されているのは、「体験自体を目的とするのではなく、あくまで、「教育」の中の一つの手段として体験を位置づけるべし」という点。

すなわち、何をどのように教育するのか、体験をさせることを通じて何を教育するのか、何を学ばせるのかをはっきりと定めておく必要がある

このことは、訓練生側にもいえるのではないか?なにを学ぶのが目的で体験をするのかがはっきり分からないと、教育効果がないとはいえないまでも、効果は低くなるだろう。

たとえば、「最初に体験をさせて→説明して(単に、対処手順や、中身を先生→生徒の関係で説明するだけでなく、みんなで議論もいいだろうし、コーチング手法で振り返りさせるの良いだろうし)→再度体験させて」といった教育プロセスを明確にしておく必要がある。

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