2009年2月19日木曜日

火力発電所訓練用シミュレータについて

登録日:2009_02_19_PM_05_13_12

タイトル:火力発電所訓練用シミュレータについて

著者:船橋 一之

引用元:日本機械学会, Vol.70, No.586,pp.65-69,1967.

要約・感想:かなり古い文献であるので、直接何かの参考になるかはわからないが、基本的な考え方が示されている。基本的には、シミュレータを用いることそのものの目的は、プラント運転に関するより実物に即した訓練、「実体験を伴った学習・発見学習」である。すなわち、知識獲得がメインである。
コミュニケーションの大切さ等については、「合宿を組む」、「相互に役割を変更した訓練をする」ことによる相互の作業の理解・・・などによって行われている。

2009年2月16日月曜日

列車運転シミュレータ上で発生するヒューマンエラー

タイトル
列車運転シミュレータ上で発生するヒューマンエラー

著者
深沢 伸幸, 倉又 哲夫, 佐藤 清, 澤 貢, 水上 直樹, 赤塚 肇

abstract
This research aims at analyzing human errors committed in operating a train simulator. Six maile subjects, aged from 30 to 54, who were not experienced train operation participated in a two-day error susceptibility experiment after a three-day rehearsal of simulator operation. During the experiment, they committed 163 errors of six patterns at an error occurrence ration rating from 10^-4 to 10^-2. We also performed a case study on human errors that caused overrunning stop signals based on the data of train performance curve. The study results show that the train operation simulator can effectively be used analyze human errors in train operation.

引用元
鉄道総研報告, Vol.17, No.1, pp.15-18, 2003

keyword
ヒューマンエラー, 列車運転シミュレータ, 停止位置不良事故, 運転曲線

独自のkeyword
アイマークカメラ, エラー分析, エラー発生過程

要約・感想
当初の目的が、エラーの発生過程の分析なのに、結論が「シミュレータでエラーが模擬できる」という結論なのは、納得がいかない。

ただ、中で書かれているエラーの発生過程(メカニズム)の分析や考察は、中々興味深い。

<習熟過程でのエラー>
  • スキル・ルールの未定着
<習熟後のエラー>
  • 慣れによるそれまで多く発火していた行動の誤った場面での自動発火(思わずやってしまった、つまりはSlip)、
  • 慣れによる状況全体に向けられるリソース縮小による(つまりは集中力低下による)ルール(指差喚呼)の意識からの抜け、(Lapse)
  • 反復作業によるイリーガルな「強化学習」からくる、「外部環境を『積極的に』見ようとする」意欲の低下
  • 慣れから来る一時的な覚醒水準の低下
<覚醒水準の低下によるエラー>
  • 覚醒水準の低下(注視点のコントロールの喪失)→覚醒水準の復帰(したと考えられる)(注視点の移動パターンから慌てが見て取れる)→錯誤→誤った操作

2009年2月13日金曜日

機関室シミュレータ訓練の現状

タイトル
機関室シミュレータ訓練の現状

著者
中澤 武, 田中 賢悟, 胡 先富, 杉田 英昭

abstract
A practical training method using an Engine Room Simulator (ERS) has been introduced as an effective training for the students of marine engineering course at maritime institutions, especially, since the adoption of 1995 amendment to the STCW Convention. The authors have introduced the STCW Convention and Codes, the contents of IMO Model course 2.07 and the Standard for certification of ERSs by Det Norske Veritas. In this paper, the current state of training using ERSs in Japan and overseas is compared, and the directivity and possiblity of educational training using ERSs is discussed.

引用元
神戸大学海事科学部紀要第1号, pp.19-26, 2004

keyword
International Convention, Maritime Education and Training, Engine Room Simulator

独自のkeyword
船舶におけるシミュレータの訓練への応用

要約・感想
やはり、省察 が大切ということか。あと、単純に、訓練の時間が短いことが問題なのかも。

マンマシンシミュレータを用いた運転訓練システムの開発

タイトル
マンマシンシミュレータを用いた運転訓練システムの開発

著者
佐相 邦英, 高野 研一, 佐野 敏明

abstract
This paper describes the concept and development progress of an operator training system based on Man Machine Simulator (MMS) developed by CRIEPI, which simulates the behavior of an operating team under abnormal operating conditions behaves as results of computer simulation of them. This system uses 3D computer graphics to present the behavior of the simulated team and the contorol panels. This system uses Boston Dynamics Inc.'s PeopleShop in order to describe the 3D images of operator's behavior. On the 3D CG controlpanels, indications of gauges are changeable and lights of alarms go on and out, reflecting the simulated plant behavior.

引用元
日本機械学会 第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, pp.317-320, 2002

keyword
Keyword

独自のkeyword
シミュレーション

要約・感想
要するに、VRアニメを作成するシステム。

状況を第3者の位置から俯瞰することのによる学習を促す。特に、「悪い状況」を見せるのに、効果的ではないだろうか。「良い状況」は、おそらくビデオ撮影の方が良いだろう。

2009年2月4日水曜日

非定常時・異常時パフォーマンスを測定可能な多重選択反応検査の開発

登録日:2009_02_4_AM_08_49_33

タイトル:非定常時・異常時パフォーマンスを測定可能な多重選択反応検査の開発

著者:青沼 新一, 静山 弘美, 高田 雄一郎, 楠神 健

abstract: 現在の鉄道の運転適性検査体系は、1949年の制定以来大きな見直しを受けることなく今日に至っている。その間、運転環境は大きく変化し、要注意なヒューマンエラーの内容も非定常時・異常時にシフトしてきた。このため、既存の運転適性検査の事故やエラーに対する識別力を考慮しながら、今後、重要になると想定される非定常時・異常時パフォーマンスの予測が可能な適性検査を複数の選択反応(色・形・音)を組み合わせた多重選択反応検査として開発した。また、その妥当性(予測可能性)を、非定常時・異常時パフォーマンスに加え各種エラーおよび実際の運転作業における取扱い誤り事情に対して確認した。

引用元:JR EAST Technical Review, No.21, pp.35-41

keyword:運転適性検査, 多重選択反応検査, 心理適性検査, 異常時パフォーマンス, ヒューマンエラー

独自のkeyword:過去のエラーの分類

要約・感想:09.2.4

現時点では、前半のエラーの分類の部分のみしか目を通していないが、この部分を見る限り、非常にやっていることが似ている。ただ、相違点としては、



1.異常時の行動モデルが最初からある程度決め打ちされている。一方、こちらが行った内容は、認知行動モデルの一般的モデルをもとに分類したもので、いわば、「『異常時の行動モデル』を描くために」分類したものである。

2.また、分類の仕方も、結構大雑把である。

3.さらに、論文だけからは、何を情報源にして分類したものであるかが分からない。「真っ白等」がないというのは、言葉を濁した記述にはなっているが、にわかには信じがたい。



これらの点が、逆に、こちらの結果を発表するときの新規性・有用性になるのではないか。

2009年1月29日木曜日

安全教育における擬似的な危険体験の効果と課題

タイトル
安全教育における擬似的な危険体験の効果と課題

著者
中村 隆宏

abstract
 労働安全教育の現場では「体験型教育」「体感教育」等の擬似的な体験を取り入れた教育手法が展開されている。しかし、その理論的背景について十分な検討がなされないまま「体験すること」のみが重視された結果、労働者の実質的な安全態度の向上につながらず、むしろ労働者の不安全行動を助長する自体が生じることも懸念される。
 本稿では、労働安全教育における擬似的な体験の意義と諸課題について検討した。教育効果向上のためには、単なる体験にとどまることなく、実際場面で遭遇する危険とその対処方法について具体的なイメージを形成し、過去経験と結びつけて展開を図ることが重要である。また、危険補償行動に対して適切な対応を図らなければむしろ、災害発生李とを高める可能性があり、新たな教育手法の普及・展開においてはこうした副作用を十分に考慮する必要がある。

引用元
安全工学会誌, Vol.46, No.2, pp.82-88 (2007)

keyword
安全教育, 危険補償, イメージ・トレーニング

独自のkeyword
実体験と模擬体験との関連付け

要約・感想
シミュレータを活用した訓練の全体像を設計する上で持っておかなければならない視座を示している。

シミュレータはどんなにがんばってもシミュレータに過ぎない。ややもすると、シミュレータのリアリティやインパクトのみに目が行き勝ちであるが、それを追及したとしても、結局のところ、それのみでは、「シミュレータ」というゲームに「勝つための方法」を身につけるに過ぎなくなり、現場で活用されている知識と独立したものとなってしまう。

よって、シミュレータを活用する際には、シミュレータでの体験を鍵として位置づけ、実際の各訓練生が持つ実世界の自分の作業のイメージを引き出したり膨らませたりすることが必要である。そうすることで、シミュレータのリアリティという点の問題をクリアも出来るし、何よりも、「実際に活用される知識」と「シミュレータを用いた『訓練』で獲得される知識」とが結びつく。

 まあ、要するに、あとのフォローアップで、シミュレータで得た体験と、各人の実世界のイメージを結びつけるようなフォローアップ方法が必要だということ。

2009年1月19日月曜日

サービスの信頼性とサービス工学

タイトル
サービスの信頼性とサービス工学

著者

下村 芳樹

abstract

近年、サービスの設計・生産に工学的・科学的なアプローチを適用することにより、その飛躍的な改善を実現することへの期待が急速に高まっている。本稿ではサービス工学と呼ぶ新しい研究領域の概念とそこにおける研究の一環として開発を進めているサービスCADについて紹介するとともに、サービスと信頼性の関係に関する私見に基づく分析を試みる。

引用元

日本信頼性学会誌, Vol.31, No.1, pp.2-9, 2009

keyword

独自のkeyword
サービスの定義、サービスの特徴、サービスの表現方法

要約・感想

1.はじめに・・・

サービスの評価は受け手の個人的主観に強く支配される(サービスの変動性)、生産と消費が同時に起る(サービスの同時性)、明確な物理的形がない(サービスの無形性)、サービスは在庫を作れない(サービスの消滅性)という特徴がある。従来の工学では、あくまで物理的実体を持った「モノ」を対象としていたが、これらの特徴をもつサービスに対しては、従来とは異なるアプローチが必要である。そこで、本論文ではどのような工学的アプローチが可能であるかを展望している。



2.サービスと信頼性・・・

サービスの信頼性を、個々の受け手に提供されるその場その場でのサービスそのものの信頼性(※:論文では品質と同義に用いている)を「モノ」の信頼性と同様に取り扱うことは困難だが、サービスを提供する「仕組み」に関しては、「あるクラスタの顧客層をターゲットとして、その顧客層が持つ満足度を統計的に処理して、一定の範囲内に収める、そのようなことが可能な仕組みを構築する」という観点から、信頼性を取り扱うことは可能であると考えられる。実際、Customer Satisfaction Indexを用いて、信頼性を可視化する取り組みは多くなされている。しかし、これは、あくまで現状把握にとどまっており、そこから、安定したサービス品質を実現するための直接的な方法論は生まれない。そこで、筆者らは、サービスの仕組みの信頼性とサービス生産性の双方を向上することを目的として「直接的方法論」を研究している。



3.サービス工学・・・

サービスを「提供者が、対価を伴って、受給者が望む状態変化を引き起こす行為」と定義されている。そして、受給者状態パラメータという観点を出して、「このパラメータが好ましい方向に変化するときに、受給者は満足する」と定義している。すなわち、本質的に主観性が伴っている。したがって、工学的アプローチをするには、「受給者モデル」を明確化する(簡単に言えば、ターゲットを明確にする)ことが必要である。

 次いで、受給者モデルとしての受給者状態パラメータから、サービスを表現するモデルとして、「ビューモデル」「スコープモデル」「フローモデル」という3つのサブモデルからなる表現方法を提示している。ビューモデルとは、個々の受給者状態パラメータから、具体的にアプローチを掛けることができる方法に落とし込むために、機能・属性のグラフで、受給者状態パラメータを表現するものである。スコープモデルとは、個々の受給者状態パラメータの集合であり、受給者全体を描きだすものである。フローモデルとは、サービス提供者から受給者までの全体構造を、サービスを中継するエージェントの存在も含めたフローで描き出すものである。

 筆者らは、これらを実際にサービスCADソフトとして実装している。



4.サービス信頼性のための動的表現

 「ビューモデル」、「スコープモデル」、「フローモデル」の3つは、サービスを静的に把握するものであるが、実際に、サービスが提供されるプロセスをのものを描くものではない。そこで、サービスが提供される過程を描くものとして「拡張Service Blueprint」を提示している。これは、ビジネスモデルを描く表記法の一つであるBusiness Process Modeling Notationと呼ばれる図形描写を用いて、サービスが提供されるダイナミックな過程を表現しようというものである。



5.おわりに・・・略



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要は、ターゲットを明確にすること、顧客のニーズを分析すること、ニーズを自分たちの具体的行動に落とし込むこと、その具体的行動-ニーズの関係を持続可能な形で満足させ続けるための「仕組み」を描き実現すること、という当たり前のことを言っている。ただ、工学的にアプローチするための概念、考え方の方法論として「ビューモデル」「スコープモデル」「フローモデル」「拡張サービスブループリント」という4つの概念を提案している点は着目したい。



この手の話を聞いていつも感じることは顧客のニーズが前提にありき、顧客は神様、という考え方がある点への違和感である。たしかに、企業を利益を上げるための機構と考えるならば、その考え方で十分であるかもしれないが、一般的な人にとって本当にハッピーなこととはどんなことなのかをキチンと判っておかなければならないのではないか?勿論、こんなことの回答は直ぐ出せるものではないが、少なくとも、「人はどういったときに幸福なのか」というものについてのポリシー、それも、自分たちの守備範囲内のみにとどまるポリシーではなく、社会全体の仕組み全体の中で、人がどうなるのがハッピーなのか、を存分に考え続け、その中で、自分たちの守備範囲を位置づけて、どのように、自分たちの守備範囲がハッピーにつながっているかを判っていなければならないのではないか?