2011年11月3日木曜日

行政機関で働く保健婦の主体性およびコミュニティ影響力への関連要因 : 経験年数による分析

[タイトル]
行政機関で働く保健婦の主体性およびコミュニティ影響力への関連要因 : 経験年数による分析

[著者]
門間 晶子

[掲載]
名古屋市立大学看護学部紀要 1, 27-37, 2001-03

[アブストラクト]
本研究の目的は,保健婦のエンパワメントの下位概念としての主体性およびコミュニティ影響力について,経験年数によって分析することである。保健婦を対象として質問紙調査を実施し,191名(40.6%)の回答から以下の結果を得た。
1)主体性は13項目のうち1項目を除き,コミュニティ影響力は7項目すべてにおいて,経験年数の増加に伴って得点が有意に増加していた。
2)主体性を促進する要因は,経験10年未満群では自己充実的達成動機が高いこと,他職者へよく相談すること,同道(複数)訪問の機会が少ないことであり,経験10年以上群では働きがい度が高いこと,他職者へよく相談すること,職位があることであった。
3)コミュニティ影響力を促進する要因は,経験10年未満群では事例検討の機会が多いこと,自己充実的達成動機が高いことであり,経験10年以上群では他職者へよく相談すること,働きがい度が高いこと,未婚であることであった。
保健婦の主体性やコミュニティ影響力を高めるためには,事例検討や関連職種への相談が行いやすく,働きがい度が高められるような職場環境の整備が必要である。

[キーワード]
地域看護活動、保健婦のエンパワメント、主体性、コミュニティへの影響力、経験年数

[要約・感想]
行政機関で働く保健婦を対象にした研究。
「主体性(自身や組織の成長・発展のために主体的に取り組む姿勢)をもち、住民、コミュニティ、政策に働きかけていくコミュニティ影響力をもっている」ということを保健婦のコンピテンシー(論文ではエンパワメント)とし、このコンピテンシーについて経験年数ごとにどのようなものが影響を与えるのか、をアンケート調査を通じて分析した。結果は上記の通り。
分析は非常に厳密にやってて、その内容についてもよく整理されて書かれているので、それは参考になる。
まあ、ふ〜ん。。。という感じ。

なお、「働きがい」という点では、「働きがい度」を主体性ととコミュニティ影響力の説明変数として用いている。「働きがい度」を測るアンケートとして「家庭の雰囲気」「仕事の満足度」「職場の雰囲気」「職場の人間関係」「余暇時間の利用」「将来に対する希望」の6項目を挙げている。このほか、「自己充実的達成動機(他者・社会の評価にとらわれず、自分なりの達成基準への到達を目指す傾向の強さ)」「職業満足度」「生活満足度(毎日の生活に満足していますか)」を主体性とコミュニティ影響力の説明変数としてあげている

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