[タイトル]
組織における違反と職業威信—有職者を対象としたサンプリング調査から—
[著者]
上瀬 由美子, 下村 英雄, 今野 裕之, 堀 洋元, 岡本 浩一
[掲載]
社会技術研究論文, Vol.3, pp.111-117, 2005.
[アブストラクト]
本研究では、組織における違反の背景に職業威信を位置づけ、職場風土、職行属性、個人属性と合わせて関連を検討することを目的としている。サンプリングによって抽出した501人の成人男女の回答を分析した結果、不正かばいあいの違反経験は、違反を抑制する雰囲気のある職場であるほど少なくなっていた。その一方、自分の職業について社会的責任が高いと考えている回答者ほど、違反を経験する傾向のあることが明らかになった。
[キーワード]
違反、職業威信、自尊心、職業適スティグマ、職場風土
[要約・感想]
要約すると。。。
職場における違反と職業威信がどのように関連するかを明らかにすることを目的とした研究。
結果・・・
相関分析から
1.職業的自尊心は、個人的違反への抵抗感、組織的違反への抵抗感と関連している。
2.職業的スティグマは、組織的・個人的違反への抵抗感と不正かばいあいの経験、個人的違反の経験と関連している。
3.社会的責任は不正かばいあいの経験と関連している。
さらに重回帰分析から、
1.個人的違反を行うか否かは、個人的違反への抵抗感が大きく作用する。また、個人的違反への抵抗感は、加齢以外にも、違反を排除しようとする職場の雰囲気の影響も受ける。個人的違反の低減には命令系統の整備が重要であり、それが組織のける違反容認の雰囲気を抑制する、という知見があることから、本研究の結果からは、命令系統の整備が行われた場合、組織の風土が変わるだけでなく、そのことがそこで働く人々の個人的違反への抵抗感を高め、結果として個人的違反の経験が低減するという流れが生じることが示唆される。
→ 要するにグループダイナミクス
2.不正かばいあいの経験は、違反を容認したり排除するのに消極的である職場風土が影響を与えていた。一方で、社会的責任も影響を与えていた。相関分析の結果と同様に、社会的責任が高いと思われている職業についている回答者の方が不正かばいあいの経験をしているという結果であった。このことから、警察や自動車業界、鉄道業界など、「自分の仕事には社会的責任があり、絶対に違反や事故を起こしてはいけない」と強く思い込むことが、逆に不祥事の隠蔽などにつながることを示唆している。社会が特定の職業に対して清廉潔白であることを強く期待することが、逆に組織での違反のいっぺんに結びつくことを示唆している。
→ 「社会的責任(ステレオタイプ)を認知してしまう→不正の隠蔽」というパス
感想として、
後半の知見が非常に興味深い。直感的には納得がいく。
また、「世間から社会的責任が高いと思われている職業」というのもステレオタイプの一つ。このようなステレオタイプは如何にして築かれるのか。維持されているのか。直感的には、ここにメディアの影響があるように思う。
また、「社会的責任→隠蔽」のパスは、今回、業界をまたいだ結果である点も興味深い。やっぱり「人だから」そういうステレオタイプへの反応をしてしまう、ということか。
ちょうど、今ステレオタイプの本を読んでいるので面白い。
ただ、研究として「認知された職業威信」を「客観的な職業威信の認知」としている点はどうかと思う。本来であれば、「世間から〜〜〜だと思われていると思う」というのが正解だと思う。まあ、この尺度はこの尺度として、それはそれで「その人のその職業に対するステレオタイプ(期待されている姿)」を表しているからよいと思うが。
結局、「職業威信」という言葉がイマイチ腑に落ちない。よく意味が分からない概念だ。人からどのような職と思われているか、にさらに「よい」や「望ましい」「信望」などの評価が結び付けられている概念ということか。
なお、誇りの文脈では、職業的自尊心として、価値、世の中への貢献、自慢、満足、尊敬、肯定的—否定的などのイメージで捉えられている。
2011年5月31日火曜日
2011年5月30日月曜日
職業威信と安全性拡充のための社会心理学的装置の検討
[タイトル]
職業威信と安全性拡充のための社会心理学的装置の検討
[著者]
下村 英雄、堀 洋元
[掲載]
社会技術研究論文, Vol.1, pp.258-267, 2003.
[アブストラクト]
本研究では、職業威信に関する先行研究を検討することによって、安全性拡充のための社会心理学的な装置の可能性を探索することを目的とした。その結果、職業威信は各国間、世代間で不偏であるという特徴が見られた。次に、職業威信に関する社会心理学的な研究を概観した。社会心理学では、職業威信はおもにジェンダーやキャリアガイダンスとの関連で論じられていた。最後に、認知された職業威信として、自分の職業に対する誇りの変数に焦点を当てた。いくつかの調査研究をもとに誇りの変数が、年齢や性別によって異なること、違反や事故と関連が見られる可能性があることなどを論じた。
[キーワード]
職業威信、安全性、ジェンダー、キャリアガイダンス
[要約・感想]
職業威信という概念を勉強しろ、と芳賀先生から薦められて読んだ論文。
とりあえず、「職業威信」という言葉の意味がよく分からなかったが、ようするに、「職に対する格付け」ということか。その職を「すごい」とか「格好いい」など「よいもの・のぞましいもの」と思っている程度のこと。
今回の論文はレビュー論文。
もともと職業威信は社会階層論で論じられていたもの。職による人々の格付けという人に対する観点が社会的に存在しているという文脈。それに対して、その格付けの存在が人々の個々人の行動・心理にどのように与えているかを論じることを「社会心理学的観点」とし、著者らの取る観点としている。
興味深い点を上げると、
1.職業威信はステレオタイプの一つであり、ある程度、各国間、世代間で固定されている。すなわち、子供たちは世の中に威信の高い職業と低い職業があることを大人の世代から学び、自分が大人になったときに次世代に伝達している。
2.職業威信は「社会的・一般的・統計的」に言われているものと、個人の実際の受け止め方としてのものとの2つの捉え方がある。具体的に言うならば、同じ収入・同じ威信の職業につく両者のうち、片方は自分の職業を高く評価し、もう一方は低く評価することがありえる。これは、個人個人の主観的な職業威信を反映しているといえる。
3.「自分の職業に対する威信」を「自分の職業に対する誇り」として定義すると、「職場や職業に対する誇り」は「自分の働きを通じて広く社会とつながっているという感覚と類似した意識」である可能性が既往研究から示されている。また、専門的職業では「仕事そのものが誇り」の源泉になっている可能性がある。さらに、l職場や仕事に対する誇り」は大きく3つの側面に分類できる可能性がある。すなわち「社会的に承認されることによって感じる誇り」「人々の生活を支えたり、幸せにできることによって感じる誇り」「自分で納得のいく仕事できることによって感じる誇り」の3つ。
特に、3つ目の点は、自分のこの間のアンケートの「働きがい・ほこり」の因子分析結果とも結構近い結果といえる。
職業威信と安全性拡充のための社会心理学的装置の検討
[著者]
下村 英雄、堀 洋元
[掲載]
社会技術研究論文, Vol.1, pp.258-267, 2003.
[アブストラクト]
本研究では、職業威信に関する先行研究を検討することによって、安全性拡充のための社会心理学的な装置の可能性を探索することを目的とした。その結果、職業威信は各国間、世代間で不偏であるという特徴が見られた。次に、職業威信に関する社会心理学的な研究を概観した。社会心理学では、職業威信はおもにジェンダーやキャリアガイダンスとの関連で論じられていた。最後に、認知された職業威信として、自分の職業に対する誇りの変数に焦点を当てた。いくつかの調査研究をもとに誇りの変数が、年齢や性別によって異なること、違反や事故と関連が見られる可能性があることなどを論じた。
[キーワード]
職業威信、安全性、ジェンダー、キャリアガイダンス
[要約・感想]
職業威信という概念を勉強しろ、と芳賀先生から薦められて読んだ論文。
とりあえず、「職業威信」という言葉の意味がよく分からなかったが、ようするに、「職に対する格付け」ということか。その職を「すごい」とか「格好いい」など「よいもの・のぞましいもの」と思っている程度のこと。
今回の論文はレビュー論文。
もともと職業威信は社会階層論で論じられていたもの。職による人々の格付けという人に対する観点が社会的に存在しているという文脈。それに対して、その格付けの存在が人々の個々人の行動・心理にどのように与えているかを論じることを「社会心理学的観点」とし、著者らの取る観点としている。
興味深い点を上げると、
1.職業威信はステレオタイプの一つであり、ある程度、各国間、世代間で固定されている。すなわち、子供たちは世の中に威信の高い職業と低い職業があることを大人の世代から学び、自分が大人になったときに次世代に伝達している。
2.職業威信は「社会的・一般的・統計的」に言われているものと、個人の実際の受け止め方としてのものとの2つの捉え方がある。具体的に言うならば、同じ収入・同じ威信の職業につく両者のうち、片方は自分の職業を高く評価し、もう一方は低く評価することがありえる。これは、個人個人の主観的な職業威信を反映しているといえる。
3.「自分の職業に対する威信」を「自分の職業に対する誇り」として定義すると、「職場や職業に対する誇り」は「自分の働きを通じて広く社会とつながっているという感覚と類似した意識」である可能性が既往研究から示されている。また、専門的職業では「仕事そのものが誇り」の源泉になっている可能性がある。さらに、l職場や仕事に対する誇り」は大きく3つの側面に分類できる可能性がある。すなわち「社会的に承認されることによって感じる誇り」「人々の生活を支えたり、幸せにできることによって感じる誇り」「自分で納得のいく仕事できることによって感じる誇り」の3つ。
特に、3つ目の点は、自分のこの間のアンケートの「働きがい・ほこり」の因子分析結果とも結構近い結果といえる。
2011年5月20日金曜日
介護福祉士の就労意欲に関する研究—佐世保市およびその近接地域の介護福祉士—
[タイトル]
介護福祉士の就労意欲に関する研究—佐世保市およびその近接地域の介護福祉士—
[著者]
北村光子、山崎久子、大江千恵子、綿祐二
[掲載]
長崎国際大学論叢, Vol.3, pp.185-193, 2003
[アブストラクト]
わが国は高齢社会に入りさまざまな社会問題や生活問題を抱えている。その中でも介護に関しては、施設介護や在宅介護に限らず注目されており、現場で働く介護職の量と質の向上に各方面から力を注がれている。
介護職の中でも、国家資格保持者である介護福祉士は、単に身辺介護にとどまらず専門性をもって、利用者をとりまく生活全般の改善・向上に努めている。しかし、このように介護の現場で専門の知識と技術を提供している介護福祉士の認知度や、過酷な労働でありながら業務の評価については決して高いと言えず、"やりがい"と"現実"の間でジレンマを起こしている状態である。よりよい介護を目指して、介護職のリーダー的役割を担う介護福祉士の職業意識や社会的地位、あるいは就労意欲について、もっと客観的に放火する必要があるといえる。
そこで本研究では、介護福祉士の現状を調査士、さらに介護福祉士の就労意欲に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とする。調査の結果、就労意欲の現状においては、仕事面で「身体的負担」「精神的負担」を感じると就労意欲を欠き辞職を考えるようになるという結果を得た。また、その理由として「賃金の低さ」や「仕事内容のきつさ」「運営方針への不満」「社会的地位の低さ」などが挙げられた。
また、介護福祉士にとって、職場内に「良き理解者」が存在すると介護福祉士の「将来性」や「職に対する誇り」が得られるという結果を得た。この「良き理解者」についての詳細な記述はできなかったが、このことは介護福祉士の役割を多職種間で共有することの重みを現しているといえる。
今回の調査では、良き理解者が存在することが自己研鑽に直接結びつくという結果は得られらなかったが、もっと介護福祉士の就労意欲や社会的地位を向上させるためには、自己研鑽できる環境設定や講習内容の充実が必要と考える。
[キーワード]
介護福祉士、就労意欲、満足度
[要約・感想]
サンプル数が360もある中で相関係数の有意性だけからの分析をするのはどうかと思う・・・。
アブストラクトが結構詳しく書いているので、一文だけ引用。
「自分の気持ちや考えの理解者が存在することによって介護福祉士という資格に対しても誇りが持て、今まで習得した専門的技術・知識にも確信がもてるのではないだろうか」
介護福祉士の就労意欲に関する研究—佐世保市およびその近接地域の介護福祉士—
[著者]
北村光子、山崎久子、大江千恵子、綿祐二
[掲載]
長崎国際大学論叢, Vol.3, pp.185-193, 2003
[アブストラクト]
わが国は高齢社会に入りさまざまな社会問題や生活問題を抱えている。その中でも介護に関しては、施設介護や在宅介護に限らず注目されており、現場で働く介護職の量と質の向上に各方面から力を注がれている。
介護職の中でも、国家資格保持者である介護福祉士は、単に身辺介護にとどまらず専門性をもって、利用者をとりまく生活全般の改善・向上に努めている。しかし、このように介護の現場で専門の知識と技術を提供している介護福祉士の認知度や、過酷な労働でありながら業務の評価については決して高いと言えず、"やりがい"と"現実"の間でジレンマを起こしている状態である。よりよい介護を目指して、介護職のリーダー的役割を担う介護福祉士の職業意識や社会的地位、あるいは就労意欲について、もっと客観的に放火する必要があるといえる。
そこで本研究では、介護福祉士の現状を調査士、さらに介護福祉士の就労意欲に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とする。調査の結果、就労意欲の現状においては、仕事面で「身体的負担」「精神的負担」を感じると就労意欲を欠き辞職を考えるようになるという結果を得た。また、その理由として「賃金の低さ」や「仕事内容のきつさ」「運営方針への不満」「社会的地位の低さ」などが挙げられた。
また、介護福祉士にとって、職場内に「良き理解者」が存在すると介護福祉士の「将来性」や「職に対する誇り」が得られるという結果を得た。この「良き理解者」についての詳細な記述はできなかったが、このことは介護福祉士の役割を多職種間で共有することの重みを現しているといえる。
今回の調査では、良き理解者が存在することが自己研鑽に直接結びつくという結果は得られらなかったが、もっと介護福祉士の就労意欲や社会的地位を向上させるためには、自己研鑽できる環境設定や講習内容の充実が必要と考える。
[キーワード]
介護福祉士、就労意欲、満足度
[要約・感想]
サンプル数が360もある中で相関係数の有意性だけからの分析をするのはどうかと思う・・・。
アブストラクトが結構詳しく書いているので、一文だけ引用。
「自分の気持ちや考えの理解者が存在することによって介護福祉士という資格に対しても誇りが持て、今まで習得した専門的技術・知識にも確信がもてるのではないだろうか」
2011年5月17日火曜日
スチュワードシップ理論に基づくNPOのマネジメントの検証
[タイトル]
スチュワードシップ理論に基づくNPOのマネジメントの検証
[著者]
柏木 仁、東出 浩教
[掲載]
ノンプロフィット・レビュー, Vol.5, No.1, pp.29-42, 2005
[アブストラクト]
本研究では,スチュワードシップ理論で示唆される組織運営に関する要因がNPOのパフォーマンスを向上させると仮説をたて,中規模NPOの中から無作為抽出した200法人に対して質問票調査を実施(回収率57%),定量分析により仮説の検証を行った.結果,スチュワードシップ理論を基に構築された要因は,パフォーマンスの中でも,特に,人材の成果といえるソフト・パフォーマンスの向上に寄与することが示された.具体的には,使命の共有はパフォーマンスの向上に最も強く貢献し,意思決定への参加,情報収集・能力形成は,ソフト・パフォーマンスと組織の効果性を高めることに強く寄与し,フィードバックは,ソフト・パフォーマンスの向上と会員数の増加に寄与していた.自律活動の奨励は,ソフト・パフォーマンスに加え,総収入の増加率,組織の効果性を高めることにも寄与していた.本研究は,中規模NPOにおける参加型マネジメントの検証となった.
[キーワード]
非営利組織, スチュワードシップ理論, 組織パフォーマンス, 従業員参加型の組織運営, 使命の共有、自己実現、内発的動機付け、成長、達成、パフォーマンス、愛着的コミットメント、組織市民行動、ジョブデザイン、
[要約・感想]
NPOのマネジメントについて論じたもの。
全体として、NPOを対象にアンケート調査をしている、という点がポイント。モデルや仮説自体は「NPOだから」という点はあまり反映されていない。
背景で結構まとまって、そこそこの内容をうまく説明している。このあたりは勉強になる。
特にスチュワードシップ理論なるものは初めて耳にした。
結果の面から行くと、パフォーマンスという点で「愛着的コミットメント」「組織市民行動」が挙げられている点、説明変数で「使命の共有」を挙げている点はなかなか面白い。また、「使命の共有」がこれらに強く影響を与えていることも示されている。
特に、NPOの組織メンバについてはこれが言えたということ。
多分、これは一般の組織でも言えることなんじゃないかなぁ〜。。。
スチュワードシップ理論に基づくNPOのマネジメントの検証
[著者]
柏木 仁、東出 浩教
[掲載]
ノンプロフィット・レビュー, Vol.5, No.1, pp.29-42, 2005
[アブストラクト]
本研究では,スチュワードシップ理論で示唆される組織運営に関する要因がNPOのパフォーマンスを向上させると仮説をたて,中規模NPOの中から無作為抽出した200法人に対して質問票調査を実施(回収率57%),定量分析により仮説の検証を行った.結果,スチュワードシップ理論を基に構築された要因は,パフォーマンスの中でも,特に,人材の成果といえるソフト・パフォーマンスの向上に寄与することが示された.具体的には,使命の共有はパフォーマンスの向上に最も強く貢献し,意思決定への参加,情報収集・能力形成は,ソフト・パフォーマンスと組織の効果性を高めることに強く寄与し,フィードバックは,ソフト・パフォーマンスの向上と会員数の増加に寄与していた.自律活動の奨励は,ソフト・パフォーマンスに加え,総収入の増加率,組織の効果性を高めることにも寄与していた.本研究は,中規模NPOにおける参加型マネジメントの検証となった.
[キーワード]
非営利組織, スチュワードシップ理論, 組織パフォーマンス, 従業員参加型の組織運営, 使命の共有、自己実現、内発的動機付け、成長、達成、パフォーマンス、愛着的コミットメント、組織市民行動、ジョブデザイン、
[要約・感想]
NPOのマネジメントについて論じたもの。
全体として、NPOを対象にアンケート調査をしている、という点がポイント。モデルや仮説自体は「NPOだから」という点はあまり反映されていない。
背景で結構まとまって、そこそこの内容をうまく説明している。このあたりは勉強になる。
特にスチュワードシップ理論なるものは初めて耳にした。
結果の面から行くと、パフォーマンスという点で「愛着的コミットメント」「組織市民行動」が挙げられている点、説明変数で「使命の共有」を挙げている点はなかなか面白い。また、「使命の共有」がこれらに強く影響を与えていることも示されている。
特に、NPOの組織メンバについてはこれが言えたということ。
多分、これは一般の組織でも言えることなんじゃないかなぁ〜。。。
精神科看護師のストレス要因とその対処行動
[タイトル]
精神科看護師のストレス要因とその対処行動
[著者]
野中 真由子
[掲載]
心身健康科学, Vol. 4, No. 1, pp.47-53, 2008.
[アブストラクト]
精神科看護師は,看護師のストレス要因に加え,精神疾患を抱える患者とのコミュニケーションの困難さ,患者の病状の把握や看護介入の困難さ,疾患の特徴から再発を繰り返しやすいという状態に起因するストレスがあると考えられる.また,精神疾患の多様化に伴い,ストレスは増強することが予想され,臨床で働く精神科看護師はその多様なストレスに柔軟に対処する力が必要となる.したがって,これまで以上に職場におけるメンタルヘルスが維持され,職業性ストレスを起こさない対策が求められると考える.
本研究では,精神科病院に勤務する女性の精神科看護師76名を対象にストレス要因とその対処行動の実態についてのアンケート調査を行い,有効回答72名を対象にt-検定を用いて解析した.この結果,仕事のストレス要因は『心理的な仕事の質的負荷』『身体的負荷』『職場環境』であった.対処行動では,ストレス要因の大きい群と小さい群の比較を行ったところ,ストレス要因の大きい群に『仕事や生活の満足度』が少なく,『回避的認知・行動』が大きかった.しかし,これは精神科看護師に特有な対処行動とは考えにくかった.そこで,サポート体制の大きい群と少ない群での比較をした結果,サポート体制が多い群に『活気』があり,『不安』『抑うつ感』が少なかった.
これらから,ストレス低減のための一つとして緩衝効果の高いサポート体制をより強化していくことが,ストレス要因が多い精神科看護師にとってもより健康的な対処行動を形成する上で有効であることが示唆された.
[キーワード]
精神科看護師, ストレス要因, 対処行動, ソーシャルサポート、ストレス・コーピング
[要約・感想]
精神科看護師のストレスについての研究。
なんとなく、あ〜そうなんだ〜、という感じ。
用いているストレス尺度は構成から見ると、先の感情労働の研究と同じ質問紙をつかっているのかな?
精神科看護師のストレス要因とその対処行動
[著者]
野中 真由子
[掲載]
心身健康科学, Vol. 4, No. 1, pp.47-53, 2008.
[アブストラクト]
精神科看護師は,看護師のストレス要因に加え,精神疾患を抱える患者とのコミュニケーションの困難さ,患者の病状の把握や看護介入の困難さ,疾患の特徴から再発を繰り返しやすいという状態に起因するストレスがあると考えられる.また,精神疾患の多様化に伴い,ストレスは増強することが予想され,臨床で働く精神科看護師はその多様なストレスに柔軟に対処する力が必要となる.したがって,これまで以上に職場におけるメンタルヘルスが維持され,職業性ストレスを起こさない対策が求められると考える.
本研究では,精神科病院に勤務する女性の精神科看護師76名を対象にストレス要因とその対処行動の実態についてのアンケート調査を行い,有効回答72名を対象にt-検定を用いて解析した.この結果,仕事のストレス要因は『心理的な仕事の質的負荷』『身体的負荷』『職場環境』であった.対処行動では,ストレス要因の大きい群と小さい群の比較を行ったところ,ストレス要因の大きい群に『仕事や生活の満足度』が少なく,『回避的認知・行動』が大きかった.しかし,これは精神科看護師に特有な対処行動とは考えにくかった.そこで,サポート体制の大きい群と少ない群での比較をした結果,サポート体制が多い群に『活気』があり,『不安』『抑うつ感』が少なかった.
これらから,ストレス低減のための一つとして緩衝効果の高いサポート体制をより強化していくことが,ストレス要因が多い精神科看護師にとってもより健康的な対処行動を形成する上で有効であることが示唆された.
[キーワード]
精神科看護師, ストレス要因, 対処行動, ソーシャルサポート、ストレス・コーピング
[要約・感想]
精神科看護師のストレスについての研究。
なんとなく、あ〜そうなんだ〜、という感じ。
用いているストレス尺度は構成から見ると、先の感情労働の研究と同じ質問紙をつかっているのかな?
感情労働としての看護労働が職業性ストレスに及ぼす影響
[タイトル]
感情労働としての看護労働が職業性ストレスに及ぼす影響
[著者]
片山 はるみ
[掲載]
日本衛生学
[アブストラクト]
<Objective> : To clarify the effects of factors of emotinal labor, defined as the suppression of own emotions to better maintain other peoples' emotinal condition, on job-related stress responses among hospital nurses, the relationship between emotional labor and job-related stress was analyzed.
<Subjects and Methods> A self-reported questionnaires was distributed among 147 nurses of five hospitals in Japan. Complete answers were collected from 123 nurses (83.7%, 107 females and 16 males). Emotional labor was assessed by the Emotinal Labor Inventory for Nurses (ELIN) (26items), which consisted of five subscales, i.e., "suppressed expression." Job-related stress was evaluated using the Brief Job Stress Questionnaire (BSQ) consiting of 57 items. Stepwise mulitple regression analysis was performed to examine the relationships of stress (BSQ) with ELIN and job stressors (BSQ).
<Results> Subjects working in an inpatient department showed significantly higher total ELIN scores tha those working in an outpatient department. The stepwise multiple regression analysis showed the following: Scores on "anger" and "fatigue" in BSQ positively related to "suppressed expression" scoress in ELIN; those on "anxiety" positively related to "deep adjustmen" scores; and those on "depression" positively related to "surface adjustment" scores. Similarly, scores on negative stress responses (BSQ) such as "anger", "fatigue", "anxiety", "depression", and "somatic stress respons" positively related to scores on job stressors (BSQ), e.g, physical work load, whereas "vigor" scores positively related to "job worhwhileness"in BSQ.
<Conclusion>The aspects of "suppression expression", "deep adjustment", and "surface adjustment" of emotional labor seem to be the major occupational stressors for nurses, as well as job-related stressors measures by BSQ. Working in inpatient department appears to be a potent stressor for nurses.
[キーワード]
感情労働、職業性ストレス、病院看護師、メンタルヘルス
[要約・感想]
看護師を対象とした感情労働に関する研究。
序論部で感情労働について端的にまとめられており勉強になる。
調査結果からは、
(1)感情労働の一つである「表出抑制」(その場にふさわしくないと判断した感情を抑制する意識的な努力)は、イライラ感や疲労感などの複数のストレス反応に影響を及ぼす。
(2)同じく感情労働の一つである「深層適応」(患者にとって適切と判断する感情表現を意図的に喚起させる)や「表層適応」(その時々の状況に応じた表面的な対応をする)も看護師の負担となっている。
(3)一方で、「探索的理解」(対象の理解につとめる)と「ケアの表現」(ケア行動によって優しさなどの感情を伝える)はストレスとは結びつくとはいえない。
ということが分かった。
なんとなく、感情労働は接客業の現場に出る車掌や駅員が当てはまるが、それ以外でも、現場の管理層も当てはまるのではないか。
感情労働としての看護労働が職業性ストレスに及ぼす影響
[著者]
片山 はるみ
[掲載]
日本衛生学
[アブストラクト]
<Objective> : To clarify the effects of factors of emotinal labor, defined as the suppression of own emotions to better maintain other peoples' emotinal condition, on job-related stress responses among hospital nurses, the relationship between emotional labor and job-related stress was analyzed.
<Subjects and Methods> A self-reported questionnaires was distributed among 147 nurses of five hospitals in Japan. Complete answers were collected from 123 nurses (83.7%, 107 females and 16 males). Emotional labor was assessed by the Emotinal Labor Inventory for Nurses (ELIN) (26items), which consisted of five subscales, i.e., "suppressed expression." Job-related stress was evaluated using the Brief Job Stress Questionnaire (BSQ) consiting of 57 items. Stepwise mulitple regression analysis was performed to examine the relationships of stress (BSQ) with ELIN and job stressors (BSQ).
<Results> Subjects working in an inpatient department showed significantly higher total ELIN scores tha those working in an outpatient department. The stepwise multiple regression analysis showed the following: Scores on "anger" and "fatigue" in BSQ positively related to "suppressed expression" scoress in ELIN; those on "anxiety" positively related to "deep adjustmen" scores; and those on "depression" positively related to "surface adjustment" scores. Similarly, scores on negative stress responses (BSQ) such as "anger", "fatigue", "anxiety", "depression", and "somatic stress respons" positively related to scores on job stressors (BSQ), e.g, physical work load, whereas "vigor" scores positively related to "job worhwhileness"in BSQ.
<Conclusion>The aspects of "suppression expression", "deep adjustment", and "surface adjustment" of emotional labor seem to be the major occupational stressors for nurses, as well as job-related stressors measures by BSQ. Working in inpatient department appears to be a potent stressor for nurses.
[キーワード]
感情労働、職業性ストレス、病院看護師、メンタルヘルス
[要約・感想]
看護師を対象とした感情労働に関する研究。
序論部で感情労働について端的にまとめられており勉強になる。
調査結果からは、
(1)感情労働の一つである「表出抑制」(その場にふさわしくないと判断した感情を抑制する意識的な努力)は、イライラ感や疲労感などの複数のストレス反応に影響を及ぼす。
(2)同じく感情労働の一つである「深層適応」(患者にとって適切と判断する感情表現を意図的に喚起させる)や「表層適応」(その時々の状況に応じた表面的な対応をする)も看護師の負担となっている。
(3)一方で、「探索的理解」(対象の理解につとめる)と「ケアの表現」(ケア行動によって優しさなどの感情を伝える)はストレスとは結びつくとはいえない。
ということが分かった。
なんとなく、感情労働は接客業の現場に出る車掌や駅員が当てはまるが、それ以外でも、現場の管理層も当てはまるのではないか。
組織の心理的問題改善への意識調査の寄与に関する一事例
[タイトル]
組織の心理的問題改善への意識調査の寄与に関する一事例
[著者]
高原 龍二
[掲載]
産業衛生学雑誌, Vol.52, No.1, pp.28-28, 2010.
[アブストラクト]
組織における心理的問題への対策のために用いられる意識調査は、対策が必要であるかを検証することと、必要であるならばどういった点が問題の要因であるのかを数量的に明確化することで組織的判断の材料とすることが主な目的といえる。本稿では、組織の心理的問題への対策の必要性を明らかにし、有効な対策へのヒントとなるように、共同調査項目と組織特有の問題や対策についての独自項目を組み合わせた意識調査を受託し、対策後にその有効性を確認するために経年調査を行った事例を報告する。従業員の負担感が高く、精神疾患求職者数が多い大手メーカー系企業の地方工場にて、労働組合を通じてヒアリングを行い、その結果に基づいて設計した項目を含んだ質問紙調査を行った。共同調査項目を用いた分散分析からは、従業員のメンタルヘルスや労働意欲が優位に低いことが示され、多母集団同時分析による意識構造の比較や、独自項目との相関からは、人の入れ替わりの激しさや指揮系統の混乱といった該当組織特有の状況の中で、仕事量の多さと雰囲気の悪さによって人間疎外的な状況が形成されていることが示された。結果は労働組合によって経営陣に伝えられ、労使での対策が実施された。一年後、労使での対策を項目化したものを加えて再調査を実施し、対策の検証を行った。分散分析からは優位な改善が示され、経年対応させたアグリゲート・データを用いた銃回帰分析からは、労使での対策の一部が有効であった可能性が示唆された。本事例のように、調査の受託主体と対策の主体が異なる場合、組織的判断への資料の効果性の確認のために、調査設計や統計的分析を工夫して、実証的に組織の実態を提示することは有益な手段であると考えられる。
[キーワード]
アクション・リサーチ、メンタルヘルス、分析手法、労働環境
[要約・感想]
アクションリサーチ→質問紙の設計→アンケート実施→分析→結果のフィードバック・・・・(現場による改善)・・・・>経年比較による改善の効果検証
という流れを示した論文。面白い。
特に、職場のメンバのモチベーションやメンタルヘルスにはこういった手続きが基本的な流れとなるということ。
自分自身の研究も基本的にこういう流れになるということだろう。勉強になる。
「働きがい」という点では、Deciの内発的動機づけや、仕事の楽しさ、メンタルヘルス、職業ストレス、有能感、自己決定といった文脈で捉えている。
組織の心理的問題改善への意識調査の寄与に関する一事例
[著者]
高原 龍二
[掲載]
産業衛生学雑誌, Vol.52, No.1, pp.28-28, 2010.
[アブストラクト]
組織における心理的問題への対策のために用いられる意識調査は、対策が必要であるかを検証することと、必要であるならばどういった点が問題の要因であるのかを数量的に明確化することで組織的判断の材料とすることが主な目的といえる。本稿では、組織の心理的問題への対策の必要性を明らかにし、有効な対策へのヒントとなるように、共同調査項目と組織特有の問題や対策についての独自項目を組み合わせた意識調査を受託し、対策後にその有効性を確認するために経年調査を行った事例を報告する。従業員の負担感が高く、精神疾患求職者数が多い大手メーカー系企業の地方工場にて、労働組合を通じてヒアリングを行い、その結果に基づいて設計した項目を含んだ質問紙調査を行った。共同調査項目を用いた分散分析からは、従業員のメンタルヘルスや労働意欲が優位に低いことが示され、多母集団同時分析による意識構造の比較や、独自項目との相関からは、人の入れ替わりの激しさや指揮系統の混乱といった該当組織特有の状況の中で、仕事量の多さと雰囲気の悪さによって人間疎外的な状況が形成されていることが示された。結果は労働組合によって経営陣に伝えられ、労使での対策が実施された。一年後、労使での対策を項目化したものを加えて再調査を実施し、対策の検証を行った。分散分析からは優位な改善が示され、経年対応させたアグリゲート・データを用いた銃回帰分析からは、労使での対策の一部が有効であった可能性が示唆された。本事例のように、調査の受託主体と対策の主体が異なる場合、組織的判断への資料の効果性の確認のために、調査設計や統計的分析を工夫して、実証的に組織の実態を提示することは有益な手段であると考えられる。
[キーワード]
アクション・リサーチ、メンタルヘルス、分析手法、労働環境
[要約・感想]
アクションリサーチ→質問紙の設計→アンケート実施→分析→結果のフィードバック・・・・(現場による改善)・・・・>経年比較による改善の効果検証
という流れを示した論文。面白い。
特に、職場のメンバのモチベーションやメンタルヘルスにはこういった手続きが基本的な流れとなるということ。
自分自身の研究も基本的にこういう流れになるということだろう。勉強になる。
「働きがい」という点では、Deciの内発的動機づけや、仕事の楽しさ、メンタルヘルス、職業ストレス、有能感、自己決定といった文脈で捉えている。
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