2011年5月16日月曜日

メンタルヘルスとクオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する予防医学的研究 : (第2報)労働者の働きがい感(QOL)とライフスタイル・メンタルヘルスとの関連について

[タイトル]
メンタルヘルスとクオリティ・オブ・ライフ(QOL)に関する予防医学的研究 : (第2報)労働者の働きがい感(QOL)とライフスタイル・メンタルヘルスとの関連について

[著者]
丸山 総一郎, 森本 兼曩

[掲載]
産業医学, Vol.33, No.7, p.723, 1991

[アブストラクト]
None

[キーワード]
働きがい、QOL、Quality of Life、抑うつ度、メンタル・ヘルス

[要約・感想]
労働者の働きがい感をメンタルヘルスの観点からQuality of Life (QOL)と捉え、さらに、抑うつ傾向との関連性を見出している。

FW: 行動随伴性から見た社会人の働きがい

-----Original Message-----
From: 藤野 秀則
Sent: Thursday, May 12, 2011 6:08 PM
To: '論文DB'
Subject: 行動随伴性から見た社会人の働きがい

2回目に読んだら、結構いいことを書いている。

すなわち、「働きがい」を感じる人では、「直接仕事に関係する作業をすること」「ほめ言葉」「人が喜ぶ姿」が影響を与えているということが示されている。
この「直接仕事に関係する作業をすること」という点がポイント。つまり、その人が「これは自分の仕事」と思っている仕事については、その仕事に関わる作業に対してはモチベーションが高く、その作業をすることそのものへの満足度が高い、ということ。

一方、「家庭と仕事の両立にやりがいを感じる」という点については、「働きがい」という点ではなく、「生きがい」という点、生きることへの満足感、自分の人生への満足感というまた別の(一段上の?)満足感で捉えているということだろう。

2011年5月13日金曜日

高齢者の働きがいの行動分析

[タイトル]
高齢者の働きがいの行動分析

[著者]
長谷川 芳典

[掲載]
日本行動分析学会第17回年次大会発表論文集, pp.108-109, 1999.

[アブストラクト]
None

[キーワード]
高齢者 働きがい モチベーション 行動随伴性

[要約・感想]
高齢者の働きがいをテーマとして、ヒアリング調査を行っている。その中では「人生をよりよいものとする」という観点からの要因(たとえば、「体を動かすこと健康によい」「小遣い稼ぎによい」など)からくる仕事へのモチベーションが主に語られているが、仕事そのものと関連するものとして「行動に対して行動内在的な結果が直後に確実に随伴する労働」という点が高齢者の「働きがい」要因としてあげている。これは達成感に関わるものと考えられる。

上司による効果的なほめ方・叱り方等に関する研究(II)—ほめ・叱りに対する上司—部下間の認識のギャップとその影響—

[タイトル]
上司による効果的なほめ方・叱り方等に関する研究(II)—ほめ・叱りに対する上司—部下間の認識のギャップとその影響—

[著者]
堀下 智子、金山 正樹、山浦 一保

[掲載]
産業組織心理学会第24回大会発表論文集, pp.17-20, 2008.

[アブストラクト]
Non

[キーワード]
ほめ 叱り 関係性 上司 部下 ギャップ 安全意識

[要約・感想]
(1)運転士の「現実にほめられた経験」が多いほど係長への評価が高いことから、上司のほめは上司部下の関係によい影響をもたらす。
(2)運転士は「ほめられるに値するのに、ほめられていない」、しかし係長は「ほめているつもり」という認識のギャップの存在
    → ほめのポイントのずれ が現実にあるのかもしれないし、実際には褒めてるんだけど、褒めてもらっているとは思っていないということがあるのかもしれない。
面白い結果。

上司による効果的なほめ方・叱り方等に関する研究(I)—上司-部下間の関係性の観点からの実験的検討—

[タイトル]
上司による効果的なほめ方・叱り方等に関する研究(I)—上司-部下間の関係性の観点からの実験的検討—

[著者]
山浦 一保、堀下 智子、金山 正樹

[掲載]
産業組織心理学会第24回大会発表論文集, pp.13-16, 2008.

[アブストラクト]
None

[キーワード]
ほめ 褒め 関係性 上司 部下

[要約・感想]
まとめると、、、

上司—部下の関係性がよい場合には、
(1)ポジティブなフィードバックを受けると、普段の関係性と一致しているので、部下は上司との安定的な相互作用を確証でき、結果として、部下は職務に集中しモチベーションが高まるだろう。
(2)なんらのフィードバックも受けないと、普段の関係性と一致しないので、部下は上司に対して疑念や仕事に対する方向性の曖昧さを感じ、結果としてモチベーションを低下させるだろう。場合によっては、自分の仕事のパフォーマンスに対する上司の関心や期待の低下を感じ、暗黙の叱責を受けた気分になるかもしれない。
一方、関係性が低い場合には、
(1)ポジティブなフィードバックを受けると、普段の関係と一致しないので、上司の対応が一貫していないと認知し、部下のモチベーションを向上させることはないだろう。場合によっては低下させることになるかもしれない。 (※ちょっと、ここでモチベーションが低下するプロセスは、もう少し理論的な結びつきが必要な気がする。なぜ、上司の対応が一貫していないと、モチベーションが下がるのか、の因果の関係のピースが足りてない気がする)
ということが考えられる。
そこで、このことが成り立っているかを確認するための実験を行った。
実験の結果、良好な関係を築いているからこそ、上司は部下の日ごろの努力や取り組みに即して評価しなければ、その部下の熱意や継続的な責任感を低減させること、暗黙のうちに叱責を受けた気分にさせてしまうことが認められた。また、褒め行動の効果を十分に発揮するためには、関係性が良好に保たれていることが必要条件であるといえる。

2011年5月12日木曜日

「働きがいを育てるCSRコミュニケーション」—CSRコミュニケーションが従業員の働きがい、および企業文化醸成にもたらす価値形成—

[タイトル]
「働きがいを育てるCSRコミュニケーション」—CSRコミュニケーションが従業員の働きがい、および企業文化醸成にもたらす価値形成—

[著者]
宮田 穣

[掲載]
相模女子大学紀要. A, 人文・社会系 70, 31-43, 2006

[アブストラクト]
This report clearly demonstrates through two surveys and two case studies that proactive efforts in CSRby a corporation leads to the activation of internal communication activities, revitalizes employee labor, and leads to the development of corporate culture which looks ahead to the future generations.
In paticular, the analysis focuses on how concepts of values of individual employees can be qualitatively changed by communication, and highlights the importance of a communication style that shares "narratives" in the organization along with development steps of sharing the information and concept of values in the oranizaion.

[キーワード]
CSR, Mental Health, Narrative, employee Communication, Corporate Culture

[要約・感想]
「CSRに関して、従業員同士てコミュニケーションを行うことによって、従業員の働きがいを向上させると共に、企業文化にCSRの内容を価値観として浸透させる」ということを論文の核として論じている。論文の流れとしては、現状の問題点を調査し、その結果分かった課題に対して「こうすればよいのではないか」ということを検討する、という流れ。

(1)要するに、CSRを果たすとは、環境レポートとか地域貢献といった部分だけを取り出すのではなく、「仕事の社会的価値」「そもそも何のために働いているのか」を十分に理解・浸透させることである。

(2)CSRの取り組み・浸透に関する調査の結果、現状では従業員の意識レベルは「自社の基本方針や姿勢が理解、共有化されているレベル」にとどまっており、「CSRと日常業務との関わり」への理解や共有、「CSRを意識した業務遂行」までは至っていない。また、CSRをテーマにした会議が多くなったり、問題がおきたときにCSRの視点からの検討もなされるようになっているが、まだ始まったばかりであり、人によって知識もレベルが違う、という現状が明らかになった。

(3)CSRのための議論をすることによって企業組織と外部社会との関係の認識と認識の再構築やコミュニケーションが促進されること、従業員自身の働き方や生き方への再考を促す契機となること、それを通じて「従業員の企業との関係の再構築、および自己発見」が起こるという効果が期待できる。ただ、その効果を起こすためには、上記の現状を改善していかなければならない。そこでは、「従来から続いてきた価値観とそれに基づく関係(従業員と企業)を引きずりつつ、新たな関係構築を内包しながら、いかに質的転換を図っていくか」が課題となる。

(4)本論で提起するのは以下のフェーズのどれにいるかを意識したうえで、それぞれを実現する上でのコミュニケーション(CSRコミュニケーション)の姿を具現化することである。
「従業員が自社のCSRの考え方や取り組み状況を情報として共有化する」フェーズ
  ↓
「それぞれの仕事とCSRとの具体的な繋がりを明確にし、それを理解し納得する」フェーズ
  ↓
「CSRをということを意識しなくても、働き方そのものにその企業が考えるCSRそのものがすでに内在している」フェーズ
具体的には第1フェーズでは、「情報の共有化」「従業員の認識の統一」のための「教養的コミュニケーション」が求められる。第2フェーズでは、従業員個々の仕事の関わりを踏まえながら、その場その場で納得いくまで価値観を議論しあう「教育的なコミュニケーション」が求められる。第3フェーズでは「お互いの仕事のありようをごく自然にやり取りする中で、お互いを認め合い、価値観を改めて確認しあう「理想的なコミュニケーション」が求められる。

(5)さらに加えて、ナラティブを活用したコミュニケーションが効果的と期待される。ナラティブによって共感、感情移入、想起、想像といったプロセスにより伝えたい内容が膨らみ、ときに伝え手の構想委譲の内容が高い納得とともに伝わることがある。

介護と"看護"の視点からの「ケアの連携」に関する考察

[タイトル]
介護と"看護"の視点からの「ケアの連携」に関する考察

[著者]
榊原 和子

[掲載]
四条畷学園短期大学紀要, Vol.40, pp.19-29, 2007

[アブストラクト]
21世紀に入った日本は、少子・高齢化という2つの問題を同時に抱え、国民的課題として個々人が様々な負担を強いられている。我々の最大の関心事である健康についても、老後の生活や健康に直接的に関係している厚生年金や健康保険などの見直しが進み、平成12年に導入された介護保険も2005(平成17)年から見直され、2006年度(18年度)から実施されることになった。特記することとして、新予防給付及び新たなサービス体系の確立などが挙げられ、「医療と介護の連携」を強化した内容になっている。人間がこの世に生を受け健康を享受し、心身ともに豊かな生活をおくり死に至るまでのあいだに保健・医療及び福祉は欠くべからざるものであり、一人の人間の一生の過程で常に何らかの関わりを持っている。"ケア"という言葉を共有する"看護"と"介護"の立場で、それぞれが「健康的で尊厳ある生活」を質・量共に保障し、連携を深めながら役割と責任を果たす意義を確認する。また、2006(平成18)年7月に取りまとめられた厚生労働省社会援護局福祉基盤課による「これからの介護を支える人材について-新しい介護福祉士の養成と生涯を通じた能力開発に向けて-」検討委員会報告があり、介護福祉士をめぐる状況の変化や魅力と働きがいのある職場づくりについて今後の方向性と課題が提示されていることなどを含め、「医療と介護の連携」について考察する。

[キーワード]
健康, ケア, 尊厳ある生活, 看護と介護, 介護保険

[要約・感想]
介護職の現状を展望した論文。特に新しいものを報告した論文ではない。
論文の中で「介護職のコンピテンシー」が示されている。
また、プロフェッションについても触れられている。このあたりは参考となる。

「自分をみつめなおすゆとり」か・・・。

働きがいという言葉の捉え方という点では、「魅力と働きがいのある職場づくり」という言葉を用いている。さらに論文の中では、「高いといわれる離職率」といった言葉や、「関心・興味及びモチベーション」「やりがい」という言葉を出している。「やりがい」については、以下のような行がある。「「知」は普遍的な知の体系で、「知恵」は、正しく物事を認識し判断する能力、正しく判断する心の働きである。今の若者は活字離れや読解力不足などさまざまな言い方をされるが、時間をかける事によって知識が知恵になり、仕事に従事する過程で物事を成し遂げることのできる力、すなわち「能力」が身につき仕事に自信と誇りを持つことができ、やりがいに結びつくと考える。」この行から、まずは職務遂行能力を身につけることが必要であり、それが身につくことによって仕事における自身のパフォーマンスに対して「自信」と「誇り」を持てるようになり、それによって「やりがい」がもてるようになる、という流れを想定していると考えられる。加えて、「魅力と働きがいのある職場づくり」を英文アブストラクトでは" the improvement of work place to make it a more attractive profession"と記述している。"profession"は論文中では「(1)誰にでもできない職業であること(厳密な資格制度と養成制度)、(2)仕事をする上で、個人あるいは職業集団の大幅な自主性・自律性があること(仕事をする上で、あれこれ指揮命令を受けない)」と説明されている。このことから、「自主性・自律性」といった言葉も「働きがい」と関連したものとして捉えられていると考えられる。