[タイトル]
部会員からの報告(1)Resilience Engineering
[著者]
藤田 祐志
[掲載]
人間工学専門家部会報, Vol.1(創刊号), p.1, 2004.
[アブストラクト]
[キーワード]
[感想]
Resilience Engineering・・・システムの安全維持に組織の視点から寄与しようとする考え方。回復力のあるシステムを如何に作り上げることが出来るか。自動化などの技術的仕組み、環境条件、従事者の適正や教育訓練、組織論といった従来から議論さえていることの限界を理解した上で、如何に組織のリスクを察知することが出来るか、が議論の中心。
2010年10月8日金曜日
人的多重防護を巡って−Resilience Engineeringの観点から−
[タイトル]
人的多重防護を巡って−Resilience Engineeringの観点から−
[著者]
小松原 明哲
[掲載]
電子情報通信学会技術報告, SSS2006-36, pp.9-12
[アブストラクト]
E.Hollnagelらの提唱したResilience Engineeringは、組織の安全に関して、ヒューマンファクターズのユニークなコンセプトとして注目を集めている。本稿では、Resilience Engineeringの考え方をレビュする。次に、組織構成員の行動が、組織にとって不適切な事態を招いた組織事故として、JCO社臨海事故(1999)、建築強度偽造事件(2005)を取り上げ、Resilienceとの関係について考察する。事例検討に基づき、人間による組織のResilienceは多重防護、多重冗長を果たそうとする態度が関係者になければ、果たされないことを指摘し、最近の社会風潮がResilienceを無効化する共通基盤故障として作業している懸念を示す。
Resilience Engineering which E.Hollnagel et al proposed is a unique human factors approach to organizational safety. The concept of Resilience Engineering is reviewed in this paper. Next, a JCO criticality accident(1999) and a construction forged case(2005) are discussed with a relation to Resilience Engineering. Based on the case studies, this paper points that organizational resilience will not be performed if oragnizatonal members do not have the positive attitude of performing defense-in-depth and redundancy. This paper also indicates an anxiety that the latest social trend that pople tend to have less interests toward others will hinder oganizational resilience.
[キーワード]
人的多重防護, 組織安全, レジリエンス・エンジニアリング
Human defense-in-depth, Organizational Safety, Resilience Engineering
[感想]
レジリエンス・エンジニアリングという言葉は知っているが、いまいち全体像がつかめないので、調べる中で見つけた読んだ文章。
レジリエンス・エンジニアリングというのは、結局チーム・システムの全体で最終的な顕在化事象の発生を抑えましょう、という考え方。
多重の冗長性を持たせたシステムを構築しようという考え方・・・・
というのでよいの??
なんかちょっとまだ良くわからん・・・。
ただ、とりあえず、このフレーズには納得。で、これがあるからこそ、モチベーションやモラールが大切になる。
「組織構成員に、なんらかの予期しない事象に対して、多重防護を果たそうとする意識が無ければ、あるいは、本来それを果たすべき役割者の代わりを果たそうとする人的多重冗長を果たそうとする意識が無ければ、人的Resilienceは「土台無理」ということである」
(若干、へんな日本語だが・・・)
人的多重防護を巡って−Resilience Engineeringの観点から−
[著者]
小松原 明哲
[掲載]
電子情報通信学会技術報告, SSS2006-36, pp.9-12
[アブストラクト]
E.Hollnagelらの提唱したResilience Engineeringは、組織の安全に関して、ヒューマンファクターズのユニークなコンセプトとして注目を集めている。本稿では、Resilience Engineeringの考え方をレビュする。次に、組織構成員の行動が、組織にとって不適切な事態を招いた組織事故として、JCO社臨海事故(1999)、建築強度偽造事件(2005)を取り上げ、Resilienceとの関係について考察する。事例検討に基づき、人間による組織のResilienceは多重防護、多重冗長を果たそうとする態度が関係者になければ、果たされないことを指摘し、最近の社会風潮がResilienceを無効化する共通基盤故障として作業している懸念を示す。
Resilience Engineering which E.Hollnagel et al proposed is a unique human factors approach to organizational safety. The concept of Resilience Engineering is reviewed in this paper. Next, a JCO criticality accident(1999) and a construction forged case(2005) are discussed with a relation to Resilience Engineering. Based on the case studies, this paper points that organizational resilience will not be performed if oragnizatonal members do not have the positive attitude of performing defense-in-depth and redundancy. This paper also indicates an anxiety that the latest social trend that pople tend to have less interests toward others will hinder oganizational resilience.
[キーワード]
人的多重防護, 組織安全, レジリエンス・エンジニアリング
Human defense-in-depth, Organizational Safety, Resilience Engineering
[感想]
レジリエンス・エンジニアリングという言葉は知っているが、いまいち全体像がつかめないので、調べる中で見つけた読んだ文章。
レジリエンス・エンジニアリングというのは、結局チーム・システムの全体で最終的な顕在化事象の発生を抑えましょう、という考え方。
多重の冗長性を持たせたシステムを構築しようという考え方・・・・
というのでよいの??
なんかちょっとまだ良くわからん・・・。
ただ、とりあえず、このフレーズには納得。で、これがあるからこそ、モチベーションやモラールが大切になる。
「組織構成員に、なんらかの予期しない事象に対して、多重防護を果たそうとする意識が無ければ、あるいは、本来それを果たすべき役割者の代わりを果たそうとする人的多重冗長を果たそうとする意識が無ければ、人的Resilienceは「土台無理」ということである」
(若干、へんな日本語だが・・・)
リスク環境におけるドライバと運転支援システムの協調
[タイトル]
リスク環境におけるドライバと運転支援システムの協調
[著者]
伊藤 誠、稲垣 敏之
[掲載]
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 Vol.51,No.10, 621-626, 2006
[アブストラクト]
本稿では、多様なリスク環境における人と機械との協調を論ずる。人間の判断をつねに優先する古典的な「人間中心の自動化」の考え方では十分な安全性の確保は難しいことが、これまでの事例や研究から明らかになってきている。これに対して、状況と底でのリスクに応じて、機械が安全確保のために自律的に判断・実行することを許す必要があることを指摘し、その湯構成を示した自動車の運転士縁に関する研究例を紹介する。また、このような動的特性を有する支援が、人に受容され、なおかつ過信や過度な依存をもたらさないようにするために克服すべき課題を述べる。
[キーワード]
人間機械協調, リスク, 自動車, 運転支援, 人間中心の自動化, シミュレーション
[要約・感想]
1.どうも気になるのは、「操作を任せる・意思決定を任せる」という部分の依存ばかりクローズアップされているところ。依存は「状況認識」そのものから起っているのではないだろうか。例えば、「危ないからブレーキを踏め」とか「危ないから前の車に注意しろ」というものは結局、命令であり、動作をするかしないかは原理的には人に選択の余地が与えられているとはいえ、結局、指示に従わなければアウトなのだから、指示には従うだろう。大切なのは、「状況を構成している、その人が検知しえない情報を提示する」といったことなのではないだろうか。
2.根本的には人には「依存・過信」というモードがあるわけではなく、「適応」と見るべき。そのシステムが存在する、ということを前提とした「状況への適応」が起る。人には「状況への対処に必要な注意リソース」を低減させていくメカニズムが備わっている。それが適応。
挙げられている4つの方策はすべて、結局、人の依存・過信を生むのではないか?行動への意思決定を人に委ねるとしても、状況認識は機械も行なっている。いずれ、人の適応のメカニズムから状況認識を機械に依存していく(自分で行なわなくなっていく)のではないだろうか。
それは「依存・過信」としてネガティブに捉えることも出来るが、本質的、ニュートラルに捉えるならば、「社会的認知」「分散認知」として、人がしなければならなかった状況認知を機械の側に分散させた・委譲したものであると捉えられる。人−機械システム全体で、状況モニタリングと運転操作の意思決定がなされている。
(アカン、上手くまとめられんが・・・汗)
「人と機械によるダブルチェック」というように二つのシステムが並列しているような印象があるが、結局本質的には二つのシステムが走っているのではなくて、一つのシステムが走っているだけと捉えるべきなのでは??各サブシステムのロバスト性・信頼性がどのようになるか、色々なサブシステムの構成(人のみ、人ー機械、機械のみ)の中でリスクがどのようになるのかを考えてみるというのも面白いのではないだろうか。というより、そういう観点が必要なのではないだろうか。
3.理想的な状況は、人と機械が2重の監視体制を気付いているということだろうが、これは、運転者と助手席同乗者のナビゲーションをなぞらえているのだろう。なんとなく、相手が人だと、たしかに2重のチェック体制ともいえなくない。ただ、助手席者と機械とで何か本質的な違いというものがあるのだろうか??本質的な違いが無いとすれば、助手席者が機械と同じナビゲーションを行ない続けてれば、いずれは人は助手席者にも依存するようになるのだろうか。。。これを実験で調べてみることは興味がある。
ちょっと既往研究を調査してみようかな。
リスク環境におけるドライバと運転支援システムの協調
[著者]
伊藤 誠、稲垣 敏之
[掲載]
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 Vol.51,No.10, 621-626, 2006
[アブストラクト]
本稿では、多様なリスク環境における人と機械との協調を論ずる。人間の判断をつねに優先する古典的な「人間中心の自動化」の考え方では十分な安全性の確保は難しいことが、これまでの事例や研究から明らかになってきている。これに対して、状況と底でのリスクに応じて、機械が安全確保のために自律的に判断・実行することを許す必要があることを指摘し、その湯構成を示した自動車の運転士縁に関する研究例を紹介する。また、このような動的特性を有する支援が、人に受容され、なおかつ過信や過度な依存をもたらさないようにするために克服すべき課題を述べる。
[キーワード]
人間機械協調, リスク, 自動車, 運転支援, 人間中心の自動化, シミュレーション
[要約・感想]
1.どうも気になるのは、「操作を任せる・意思決定を任せる」という部分の依存ばかりクローズアップされているところ。依存は「状況認識」そのものから起っているのではないだろうか。例えば、「危ないからブレーキを踏め」とか「危ないから前の車に注意しろ」というものは結局、命令であり、動作をするかしないかは原理的には人に選択の余地が与えられているとはいえ、結局、指示に従わなければアウトなのだから、指示には従うだろう。大切なのは、「状況を構成している、その人が検知しえない情報を提示する」といったことなのではないだろうか。
2.根本的には人には「依存・過信」というモードがあるわけではなく、「適応」と見るべき。そのシステムが存在する、ということを前提とした「状況への適応」が起る。人には「状況への対処に必要な注意リソース」を低減させていくメカニズムが備わっている。それが適応。
挙げられている4つの方策はすべて、結局、人の依存・過信を生むのではないか?行動への意思決定を人に委ねるとしても、状況認識は機械も行なっている。いずれ、人の適応のメカニズムから状況認識を機械に依存していく(自分で行なわなくなっていく)のではないだろうか。
それは「依存・過信」としてネガティブに捉えることも出来るが、本質的、ニュートラルに捉えるならば、「社会的認知」「分散認知」として、人がしなければならなかった状況認知を機械の側に分散させた・委譲したものであると捉えられる。人−機械システム全体で、状況モニタリングと運転操作の意思決定がなされている。
(アカン、上手くまとめられんが・・・汗)
「人と機械によるダブルチェック」というように二つのシステムが並列しているような印象があるが、結局本質的には二つのシステムが走っているのではなくて、一つのシステムが走っているだけと捉えるべきなのでは??各サブシステムのロバスト性・信頼性がどのようになるか、色々なサブシステムの構成(人のみ、人ー機械、機械のみ)の中でリスクがどのようになるのかを考えてみるというのも面白いのではないだろうか。というより、そういう観点が必要なのではないだろうか。
3.理想的な状況は、人と機械が2重の監視体制を気付いているということだろうが、これは、運転者と助手席同乗者のナビゲーションをなぞらえているのだろう。なんとなく、相手が人だと、たしかに2重のチェック体制ともいえなくない。ただ、助手席者と機械とで何か本質的な違いというものがあるのだろうか??本質的な違いが無いとすれば、助手席者が機械と同じナビゲーションを行ない続けてれば、いずれは人は助手席者にも依存するようになるのだろうか。。。これを実験で調べてみることは興味がある。
ちょっと既往研究を調査してみようかな。
2010年10月7日木曜日
人が守る安全を考える
タイトル
人が守る安全を考える
著者
小松原 明哲
掲載
JR EAST Technical Review - No.29, pp.1-4, 2009.
アブストラクト
キーワード
レジリエンス・エンジニアリング
要約
期待されたことが果たせなかったことをヒューマンエラーという。
エラー防止のアプローチは今までは2つあった。
(1)個人責任の時代・・・エラーは本人の不注意で、処罰して矯正されるべきもの。態度を入れ替えるための教育をする。
(2)人に頼らない時代・・・人は頼りにならぬもの。出来る限り自動化・機械化を進める一方、人の行動は作業標準を定め、それを徹底するように教育する。
(2)のアプローチは科学的に分り易い(あるエラーが頻発するなら、マニュアルが悪い。ある人がエラーを頻発させるなら、マニュアルの不徹底と考える)が、以下のような限界がある。
(1)作業者の意欲が沸かない。
人は創意工夫や自己裁量、自分自身の成長があるときに、仕事に対して意欲が沸くもの。マニュアル化が徹底されと、システムが十分に完成されたものとなっていると、やらされ感になる。
(2)設備改善には限界。
結局、改善をやったらやったで新たなリスクが生まれる。どれだけ頑張っても人が絡む以上リスクが0とはならない。また、設備投資の限界という現実的問題もある。
(3)マニュアル爆発
マニュアルが膨大になり、教育に掛かるコストが拡大する。
(4)状況が変動する場合には向かない
変動する状況の一つ一つにマニュアルは作れない。作ったとしても、現実にそれを参照しながら作業を行うことは、ダイナミックに状況が変化する中では不可能。
異常事態を予め想定していたとしても、実際には状況はその場その場で異なる。結局、係わり合いを持った人々の臨機応変な行動によって事故の被害を如何に食い止めるかが重要となる。このような人の柔軟な行動に頼る安全を考えることが必要。これがレジリエンス・エンジニアリングの考え方。
最終的には個人の資質をいかに高めるか。マニュアルの徹底という、具体的な行動の指示ではなく、行動の裁量権を与えた上で、適切な行動の意思決定が行なえるように人のコンピテンシーを高めることが求められる。それは以下の4つをそろえることが大切。
(1)心と体の健康
(2)業務に直結した技術・知識
(3)コミュニケーション力・気付き力など業務を円滑に回す能力
(4)危険感受性、職業人としての誇り・責任感
この4つをそろえるための施策を組織的に講じることが必要。
感想
コンパクトに安全維持の考え方がまとめられている。論文というよりは解説記事といったところだが、非常に分り易い。
人が守る安全を考える
著者
小松原 明哲
掲載
JR EAST Technical Review - No.29, pp.1-4, 2009.
アブストラクト
キーワード
レジリエンス・エンジニアリング
要約
期待されたことが果たせなかったことをヒューマンエラーという。
エラー防止のアプローチは今までは2つあった。
(1)個人責任の時代・・・エラーは本人の不注意で、処罰して矯正されるべきもの。態度を入れ替えるための教育をする。
(2)人に頼らない時代・・・人は頼りにならぬもの。出来る限り自動化・機械化を進める一方、人の行動は作業標準を定め、それを徹底するように教育する。
(2)のアプローチは科学的に分り易い(あるエラーが頻発するなら、マニュアルが悪い。ある人がエラーを頻発させるなら、マニュアルの不徹底と考える)が、以下のような限界がある。
(1)作業者の意欲が沸かない。
人は創意工夫や自己裁量、自分自身の成長があるときに、仕事に対して意欲が沸くもの。マニュアル化が徹底されと、システムが十分に完成されたものとなっていると、やらされ感になる。
(2)設備改善には限界。
結局、改善をやったらやったで新たなリスクが生まれる。どれだけ頑張っても人が絡む以上リスクが0とはならない。また、設備投資の限界という現実的問題もある。
(3)マニュアル爆発
マニュアルが膨大になり、教育に掛かるコストが拡大する。
(4)状況が変動する場合には向かない
変動する状況の一つ一つにマニュアルは作れない。作ったとしても、現実にそれを参照しながら作業を行うことは、ダイナミックに状況が変化する中では不可能。
異常事態を予め想定していたとしても、実際には状況はその場その場で異なる。結局、係わり合いを持った人々の臨機応変な行動によって事故の被害を如何に食い止めるかが重要となる。このような人の柔軟な行動に頼る安全を考えることが必要。これがレジリエンス・エンジニアリングの考え方。
最終的には個人の資質をいかに高めるか。マニュアルの徹底という、具体的な行動の指示ではなく、行動の裁量権を与えた上で、適切な行動の意思決定が行なえるように人のコンピテンシーを高めることが求められる。それは以下の4つをそろえることが大切。
(1)心と体の健康
(2)業務に直結した技術・知識
(3)コミュニケーション力・気付き力など業務を円滑に回す能力
(4)危険感受性、職業人としての誇り・責任感
この4つをそろえるための施策を組織的に講じることが必要。
感想
コンパクトに安全維持の考え方がまとめられている。論文というよりは解説記事といったところだが、非常に分り易い。
2010年10月5日火曜日
ワーク・モチベーションとCSR評価−ハーズバーグの動機付け衛生理論とCSR評価の関係性構築モデル−
[タイトル]
ワーク・モチベーションとCSR評価−ハーズバーグの動機付け衛生理論とCSR評価の関係性構築モデル−
[著者]
上原 衛, 山下 洋史, 大野 �裕
[掲載]
日本経営工学会論文誌, Vol.60, No.2, pp.104-111
[アブストラクト]
現在、CSR(Corporation Social Responsiblity:企業の社会的責任)を重視した企業経営が注目されている。企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)が企業の持続可能性(サスティナビリティー)を視野に入れたCSRを重視したしてんから、企業経営のあり方を求め始めており、企業は企業価値向上に向けてCSRに取り組み始めている。また、従業員が働きがいを持って仕事に従事すればその企業のCSRも向上させることが出来、一方、CSRを果たしている企業の従業員はCSRに対する意識も高く、ワーク・モチベーションも一層高くなるという正のスパイラルの関係に注目し、本業を通じて社会貢献を行いCSRを果たそうと努力している企業もある。本研究では、ハーズバーグの動機付け衛生理論に基づき、動機付け要因(M因子)追求者と衛生要因(H因子)追求者の違いによって、CSR評価における自社の積極的な施策や戦略である「攻め(Aggressive Criteria)」の評価と自社の内部管理体制やリスク管理体制の「守り(Defensive Criteria)」の評価に差が表れるという視点に注目し、組織内部者のワーク・モチベーションと自社のCSR評価との関係性を簡潔かつ分り易く表現するための新たなモデルと提示する。
[キーワード]
行動科学, ハーズバーグの動機付け衛生理論, M-H因子, ワーク・モチベーション, CSR
[要約]
CSRの評価指標として、「経済面」、「環境面」、「社会面」という3つの縦軸と、「攻めの施策」、「守りの施策」という2つの横軸の、トータルで6つのカテゴリーがある。組織の各メンバにおける、この各カテゴリーの評価の自社のCSRの評価の関係を調べた。具体的には、それぞれの軸を独立しているものとして捉え、各個人の要素を排除した、M因子追求者・H因子追求者別の、自社の攻め施策および守り施策に対する評価のウェイトと、経済、環境、社会のそれぞれに対する評価のウェイトという2つのパラメータを設定し、以下の式で表した。
Y(i;,j) = Σb(k)(Σa(j,l)・x(i;jkl)) + e(i;jkl)
i : 評価者
j : M因子追求者とH因子追求者のタイプ
k : 経済、環境、社会 の 3因子
l : 攻め、守り、社会 の2因子
Y(i;j) : iさんのモチベーションタイプと、自社のCSRに対する総合評価
x(i;jkl) : i さんのモチベーションタイプと、自社の6つのカテゴリー分けのカテゴリーごとの評価
e : 残差
実際にある会社の社員に対して自社のCSRを評価してもらい、その結果から上記の式のパラメータを計算した結果、
(1)M因子追求者に於いては、自社の施策の攻めと守りの両方を均等にウェイトを置いて、総合のCSRを評価していた
(2)H因子追求者に於いては、自社の守りの施策に特にウェイトを置いて自社の総合のCSRを評価していた
このことから、コスト削減や内部管理・リスク管理はH因子としての性格を持つということが分った。
[感想]
色々と疑問が・・・。
最初の概念論はまあ分らなくもない。(なお、ここでの社会的責任は「本業を取り組む」ということと「本業以外で社会に対して支援金を出す・文化事業を行なう(自社の本業の向上につながらないようなこと・ボランティア)」とを分けて考えておく必要はある。)
しかし、そもそも論として、研究の中で一体なにをどのように明らかにしようとしているのかが不明。仮説は「企業のCSRへの取り組みは、従業員のワークモチベーションを挙げるための単なるトリガーであるだけでなく、従業員が働きがいを持ち、ワークモチベーションが高く、活性化している従業員が働く企業こそが社会的責任を果たせるのではないだろうか」という部分だと思うが、これが実証されているとは思えない。
また、具体論として、このモデルを用いて検証したということは、まあ、結果としてそうなった、ということだろうが、なぜこんなけったいなモデルを考えたのだろう??重回帰分析ではダメだったの??それに、このモデルは互いに軸が独立しているという前提を暗黙に立てている気がするが、交互作用はなかったの??決定係数はかなり高い値が出ているとはいえ、他の分析方法(モデル)と比較してこの式が決定係数が高いというのであれば、それを書いてもらわないといけない。
ワーク・モチベーションとCSR評価−ハーズバーグの動機付け衛生理論とCSR評価の関係性構築モデル−
[著者]
上原 衛, 山下 洋史, 大野 �裕
[掲載]
日本経営工学会論文誌, Vol.60, No.2, pp.104-111
[アブストラクト]
現在、CSR(Corporation Social Responsiblity:企業の社会的責任)を重視した企業経営が注目されている。企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)が企業の持続可能性(サスティナビリティー)を視野に入れたCSRを重視したしてんから、企業経営のあり方を求め始めており、企業は企業価値向上に向けてCSRに取り組み始めている。また、従業員が働きがいを持って仕事に従事すればその企業のCSRも向上させることが出来、一方、CSRを果たしている企業の従業員はCSRに対する意識も高く、ワーク・モチベーションも一層高くなるという正のスパイラルの関係に注目し、本業を通じて社会貢献を行いCSRを果たそうと努力している企業もある。本研究では、ハーズバーグの動機付け衛生理論に基づき、動機付け要因(M因子)追求者と衛生要因(H因子)追求者の違いによって、CSR評価における自社の積極的な施策や戦略である「攻め(Aggressive Criteria)」の評価と自社の内部管理体制やリスク管理体制の「守り(Defensive Criteria)」の評価に差が表れるという視点に注目し、組織内部者のワーク・モチベーションと自社のCSR評価との関係性を簡潔かつ分り易く表現するための新たなモデルと提示する。
[キーワード]
行動科学, ハーズバーグの動機付け衛生理論, M-H因子, ワーク・モチベーション, CSR
[要約]
CSRの評価指標として、「経済面」、「環境面」、「社会面」という3つの縦軸と、「攻めの施策」、「守りの施策」という2つの横軸の、トータルで6つのカテゴリーがある。組織の各メンバにおける、この各カテゴリーの評価の自社のCSRの評価の関係を調べた。具体的には、それぞれの軸を独立しているものとして捉え、各個人の要素を排除した、M因子追求者・H因子追求者別の、自社の攻め施策および守り施策に対する評価のウェイトと、経済、環境、社会のそれぞれに対する評価のウェイトという2つのパラメータを設定し、以下の式で表した。
Y(i;,j) = Σb(k)(Σa(j,l)・x(i;jkl)) + e(i;jkl)
i : 評価者
j : M因子追求者とH因子追求者のタイプ
k : 経済、環境、社会 の 3因子
l : 攻め、守り、社会 の2因子
Y(i;j) : iさんのモチベーションタイプと、自社のCSRに対する総合評価
x(i;jkl) : i さんのモチベーションタイプと、自社の6つのカテゴリー分けのカテゴリーごとの評価
e : 残差
実際にある会社の社員に対して自社のCSRを評価してもらい、その結果から上記の式のパラメータを計算した結果、
(1)M因子追求者に於いては、自社の施策の攻めと守りの両方を均等にウェイトを置いて、総合のCSRを評価していた
(2)H因子追求者に於いては、自社の守りの施策に特にウェイトを置いて自社の総合のCSRを評価していた
このことから、コスト削減や内部管理・リスク管理はH因子としての性格を持つということが分った。
[感想]
色々と疑問が・・・。
最初の概念論はまあ分らなくもない。(なお、ここでの社会的責任は「本業を取り組む」ということと「本業以外で社会に対して支援金を出す・文化事業を行なう(自社の本業の向上につながらないようなこと・ボランティア)」とを分けて考えておく必要はある。)
しかし、そもそも論として、研究の中で一体なにをどのように明らかにしようとしているのかが不明。仮説は「企業のCSRへの取り組みは、従業員のワークモチベーションを挙げるための単なるトリガーであるだけでなく、従業員が働きがいを持ち、ワークモチベーションが高く、活性化している従業員が働く企業こそが社会的責任を果たせるのではないだろうか」という部分だと思うが、これが実証されているとは思えない。
また、具体論として、このモデルを用いて検証したということは、まあ、結果としてそうなった、ということだろうが、なぜこんなけったいなモデルを考えたのだろう??重回帰分析ではダメだったの??それに、このモデルは互いに軸が独立しているという前提を暗黙に立てている気がするが、交互作用はなかったの??決定係数はかなり高い値が出ているとはいえ、他の分析方法(モデル)と比較してこの式が決定係数が高いというのであれば、それを書いてもらわないといけない。
2010年7月29日木曜日
飲食店アルバイトの感情労働と客からの感謝・賞賛が職務満足感に及ぼす影響
タイトル
飲食店アルバイトの感情労働と客からの感謝・賞賛が職務満足感に及ぼす影響
著者
須賀 知美, 庄司 正美
掲載
目白大学心理学研究, Vol.6, pp.25-31, 2010.
アブストラクト
本研究の目的は飲食店アルバイトを対象に、感情労働と客kらの感謝・賞賛が職務満足間に与える影響を検討することである。t検定を行なった結果、各質問項目の得点に性差は見られなかった。勤務期間について1要因の分散分析を行なったところ、新人と中堅、新人とベテランでは勤務期間の長さに差が見られたが、中堅とベテランには差が見られなかった。そのため、調査参加者を新人群と、中堅・ベテランからなる非新人群に分けて各質問項目の得点を比較した。t検定の結果、両者の間で感情労働の"敏感さ"、"ポジティブ表出"および職務満足感の得点に差が見られた。また、階層的重回帰分析の結果、新人群では客からの賞賛が、非新人群では感情労働の"敏感さ"が職務万足感に影響していた。これらの結果から、アルバイト先での立場による感情管理スキルの差が職務満足感に影響していることが示唆された。さらに、本研究の限界や今後の課題について議論がなされた。
キーワード
感情労働, 感謝, 賞賛, 飲食店アルバイト
要約
〔研究目的〕
�飲食店アルバイトを対象に、感情労働と客からの感謝・賞賛が職務満足感に与える影響についての検討
�感情労働や職務満足感についての性差による違いの検討
�新人・非新人(各自が自分をどう認識しているか)の違いによる感情労働と客からの感謝・賞賛が職務満足感の違いの検討
〔測定対象〕
飲食店アルバイト経験のある大学生87名。(男性16、女性71、平均19.9歳(±1.01))
〔結果〕
�性差について
・ 感情労働(「感情の不協和」、「客の感情への敏感さ」、「客へのポジティブな感情表出」のそれぞれについての経験・頻度)、客からの感謝の経験、客からの賞賛の経験、職務満足感について男女差は無かった。
・ 「感情の不協和」については、ネガティブな感情を抑えることであり、これは既往研究と同様の結果であった。
・ 一方、敏感さやポジティブ感情表出はジェンダーに関連し、女性の方が笑顔や気遣いが求められると予想され、これらについては男性より女性の方が経験が多いと予想されるが、今回の結果はその予想と反する。これは、質問項目自体が性差が見られるようなものではなかったためと考えられる。
・ 感謝・賞賛については、客は受けたサービスに対して感謝・賞賛を返すのであって、サービスの提供者の性別には関係が無いためと考えられる。
・ 職務満足については、学生アルバイトという立場では、性別による待遇や評価の差は少ないためと考えられる。
�新人・非新人の違いについて
・ 「客の感情への敏感さ」と「客へのポジティブな感情表出」、職務満足感は、新人よりも非新人の方が得点が高かった。一方、「感情の不協和」、感謝・賞賛については立場の差はなかった。
・ 「客の感情への敏感さ」と「客へのポジティブな感情表出」は、感情管理スキルとも言え、勤務年数の長い人の方がこれらのスキルを習得しているために新人群よりも高いと考えられる。
(今回のアンケートでは「出来る—出来ない」ではなくて、「よくある—全く無い」のスケールなのだから、スキル習得することが、「これらを行なうべきケースだ」という状況認知を鋭敏にするという解釈するのか??でないと、「スキル習得」が「経験が多い」ということとどう結びつくのだ?)
・ 職務満足感は、上記とも相俟って、非新人は、感情管理スキルを駆使することによって、自己や客を操作し、仕事の自律性などを得、それによって職務満足感を得ていると考えられる。
・ 「感情の不協和」は、不愉快な客に対する我慢の経験であり、気遣いや親しさの表出といった「敏感さ」「ポジティブ表出」に比べ、新人であろうと非新人であろうと経験しやすい行動であるためと考えられる。(←ネガティブ感情なことに対しては人はセンシティブだから?あるいは、不愉快なことに対する我慢のスキルは既に新人であってもそれまでの人生の中で身につけている?まあ、これならば納得がいく)
・ 感謝・賞賛については、性差と同様に、客からすれば新人・非新人は関係ない。
�感情労働、客からの感謝・賞賛、職務満足感の関連について
・ 新人・非新人に分けて、それぞれの中で、各項目同士の相関係数を算出。
・ 新人群:「ポジティブ表出—賞賛」(正の相関)
・ 非新人群:「敏感さ—感謝」「敏感さ—賞賛」「敏感さ—職務満足」、
「ポジティブ表出—感謝」「ポジティブ表出—賞賛」」(いずれも正の相関)
・ 「ポジティブ表出」や「敏感さ」が、客からの感謝・賞賛につながるのは十分納得がいく。
・ 「敏感さ」が職務満足と関連していることについては、既往研究から飲食店アルバイトにとって、「敏感さ」は接客上大切であり職務にとってふさわしい行動であり、感情労働の中で最も重要視している部分であることが明らかになっている。このことから、飲食店アルバイトにとって「敏感さ」は接客上大切であり職務にとってふさわしい行動であると考えていることから、気遣いするほど職務満足感が高められると推測される。
⇒というより、、、「敏感さ」が高い(「敏感さ」を発揮すること(経験すること)が多い)という回答は、職務にとってふさわしい行動を自分は取れていると思っている、ということを示していることであり、「そのような行動を取る」ということと「職務に満足している」ということとは「動機づけ」や「感謝・賞賛」という変数を媒介して何らかの関連を持っているということは十分に考えられる。つまり、「行動を取る」⇒「感謝・賞賛を得る」⇒有能感を持つ⇒「職務満足」という流れや、「職務に満足」⇒動機づけ⇒「行動」など。
まあ、要するに、「敏感さ」と「職務満足」は何らかの媒介変数の存在を考えないことには、直接の因果関係は想像しにくい。要するに擬似相関だと考えられる。
�感情労働、感謝・賞賛が満足感に及ぼす影響(重回帰分析)
・ 新人群においては、「賞賛→職務満足(正の影響)」のみ有意。
・ 特に、感情労働の経験(頻度)から職務満足へのパスは有意ではなかった点について、新人は感情管理スキルが習得されていないため、新人における感情労働は職務満足感に影響するほど強いものではないと推測される。
⇒理由はどうあれ、とりあえず、新人君に於いては感情労働を強いられることと、職務満足とは直接的な因果関係が無いということ。
・ 非新人群においては、「敏感さ→職務満足(正の影響)」のみ有意。
・ つまり、「敏感さ」を示すこと自体が職務満足感に影響を示している、ということ。
・ また、「感謝・賞賛→満足」のパスが有意でなかった点について、ほめ言葉が職務満足感に影響するのは、比較的接客経験の浅い新人期だけであって、客の扱いになれた中堅やベテランにとっては職務満足感に影響するほどのことではないのかもしれない。
⇒これは面白い。、「敏感さ」を示すこと自体が、自分自身の有能感を感じさせ、それを感じれる時間・状況である「職務」に対して満足感を持っているということか。
階層的回帰分析だから、「敏感さ⇒感謝・賞賛⇒満足」というパスも調べられているはず。こちらが有意でないというのは意外。要するにベテランになると、感謝や賞賛は、しょっちゅうもらうものなので、それへの喜び感は失われて、そういう外的な報酬から、自分自身の中から内発的に生み出される有能感や自律感への、満足に影響を与える要因が変っていく。
感想
飲食店アルバイトの感情労働と客からの感謝・賞賛が職務満足感に及ぼす影響
著者
須賀 知美, 庄司 正美
掲載
目白大学心理学研究, Vol.6, pp.25-31, 2010.
アブストラクト
本研究の目的は飲食店アルバイトを対象に、感情労働と客kらの感謝・賞賛が職務満足間に与える影響を検討することである。t検定を行なった結果、各質問項目の得点に性差は見られなかった。勤務期間について1要因の分散分析を行なったところ、新人と中堅、新人とベテランでは勤務期間の長さに差が見られたが、中堅とベテランには差が見られなかった。そのため、調査参加者を新人群と、中堅・ベテランからなる非新人群に分けて各質問項目の得点を比較した。t検定の結果、両者の間で感情労働の"敏感さ"、"ポジティブ表出"および職務満足感の得点に差が見られた。また、階層的重回帰分析の結果、新人群では客からの賞賛が、非新人群では感情労働の"敏感さ"が職務万足感に影響していた。これらの結果から、アルバイト先での立場による感情管理スキルの差が職務満足感に影響していることが示唆された。さらに、本研究の限界や今後の課題について議論がなされた。
キーワード
感情労働, 感謝, 賞賛, 飲食店アルバイト
要約
〔研究目的〕
�飲食店アルバイトを対象に、感情労働と客からの感謝・賞賛が職務満足感に与える影響についての検討
�感情労働や職務満足感についての性差による違いの検討
�新人・非新人(各自が自分をどう認識しているか)の違いによる感情労働と客からの感謝・賞賛が職務満足感の違いの検討
〔測定対象〕
飲食店アルバイト経験のある大学生87名。(男性16、女性71、平均19.9歳(±1.01))
〔結果〕
�性差について
・ 感情労働(「感情の不協和」、「客の感情への敏感さ」、「客へのポジティブな感情表出」のそれぞれについての経験・頻度)、客からの感謝の経験、客からの賞賛の経験、職務満足感について男女差は無かった。
・ 「感情の不協和」については、ネガティブな感情を抑えることであり、これは既往研究と同様の結果であった。
・ 一方、敏感さやポジティブ感情表出はジェンダーに関連し、女性の方が笑顔や気遣いが求められると予想され、これらについては男性より女性の方が経験が多いと予想されるが、今回の結果はその予想と反する。これは、質問項目自体が性差が見られるようなものではなかったためと考えられる。
・ 感謝・賞賛については、客は受けたサービスに対して感謝・賞賛を返すのであって、サービスの提供者の性別には関係が無いためと考えられる。
・ 職務満足については、学生アルバイトという立場では、性別による待遇や評価の差は少ないためと考えられる。
�新人・非新人の違いについて
・ 「客の感情への敏感さ」と「客へのポジティブな感情表出」、職務満足感は、新人よりも非新人の方が得点が高かった。一方、「感情の不協和」、感謝・賞賛については立場の差はなかった。
・ 「客の感情への敏感さ」と「客へのポジティブな感情表出」は、感情管理スキルとも言え、勤務年数の長い人の方がこれらのスキルを習得しているために新人群よりも高いと考えられる。
(今回のアンケートでは「出来る—出来ない」ではなくて、「よくある—全く無い」のスケールなのだから、スキル習得することが、「これらを行なうべきケースだ」という状況認知を鋭敏にするという解釈するのか??でないと、「スキル習得」が「経験が多い」ということとどう結びつくのだ?)
・ 職務満足感は、上記とも相俟って、非新人は、感情管理スキルを駆使することによって、自己や客を操作し、仕事の自律性などを得、それによって職務満足感を得ていると考えられる。
・ 「感情の不協和」は、不愉快な客に対する我慢の経験であり、気遣いや親しさの表出といった「敏感さ」「ポジティブ表出」に比べ、新人であろうと非新人であろうと経験しやすい行動であるためと考えられる。(←ネガティブ感情なことに対しては人はセンシティブだから?あるいは、不愉快なことに対する我慢のスキルは既に新人であってもそれまでの人生の中で身につけている?まあ、これならば納得がいく)
・ 感謝・賞賛については、性差と同様に、客からすれば新人・非新人は関係ない。
�感情労働、客からの感謝・賞賛、職務満足感の関連について
・ 新人・非新人に分けて、それぞれの中で、各項目同士の相関係数を算出。
・ 新人群:「ポジティブ表出—賞賛」(正の相関)
・ 非新人群:「敏感さ—感謝」「敏感さ—賞賛」「敏感さ—職務満足」、
「ポジティブ表出—感謝」「ポジティブ表出—賞賛」」(いずれも正の相関)
・ 「ポジティブ表出」や「敏感さ」が、客からの感謝・賞賛につながるのは十分納得がいく。
・ 「敏感さ」が職務満足と関連していることについては、既往研究から飲食店アルバイトにとって、「敏感さ」は接客上大切であり職務にとってふさわしい行動であり、感情労働の中で最も重要視している部分であることが明らかになっている。このことから、飲食店アルバイトにとって「敏感さ」は接客上大切であり職務にとってふさわしい行動であると考えていることから、気遣いするほど職務満足感が高められると推測される。
⇒というより、、、「敏感さ」が高い(「敏感さ」を発揮すること(経験すること)が多い)という回答は、職務にとってふさわしい行動を自分は取れていると思っている、ということを示していることであり、「そのような行動を取る」ということと「職務に満足している」ということとは「動機づけ」や「感謝・賞賛」という変数を媒介して何らかの関連を持っているということは十分に考えられる。つまり、「行動を取る」⇒「感謝・賞賛を得る」⇒有能感を持つ⇒「職務満足」という流れや、「職務に満足」⇒動機づけ⇒「行動」など。
まあ、要するに、「敏感さ」と「職務満足」は何らかの媒介変数の存在を考えないことには、直接の因果関係は想像しにくい。要するに擬似相関だと考えられる。
�感情労働、感謝・賞賛が満足感に及ぼす影響(重回帰分析)
・ 新人群においては、「賞賛→職務満足(正の影響)」のみ有意。
・ 特に、感情労働の経験(頻度)から職務満足へのパスは有意ではなかった点について、新人は感情管理スキルが習得されていないため、新人における感情労働は職務満足感に影響するほど強いものではないと推測される。
⇒理由はどうあれ、とりあえず、新人君に於いては感情労働を強いられることと、職務満足とは直接的な因果関係が無いということ。
・ 非新人群においては、「敏感さ→職務満足(正の影響)」のみ有意。
・ つまり、「敏感さ」を示すこと自体が職務満足感に影響を示している、ということ。
・ また、「感謝・賞賛→満足」のパスが有意でなかった点について、ほめ言葉が職務満足感に影響するのは、比較的接客経験の浅い新人期だけであって、客の扱いになれた中堅やベテランにとっては職務満足感に影響するほどのことではないのかもしれない。
⇒これは面白い。、「敏感さ」を示すこと自体が、自分自身の有能感を感じさせ、それを感じれる時間・状況である「職務」に対して満足感を持っているということか。
階層的回帰分析だから、「敏感さ⇒感謝・賞賛⇒満足」というパスも調べられているはず。こちらが有意でないというのは意外。要するにベテランになると、感謝や賞賛は、しょっちゅうもらうものなので、それへの喜び感は失われて、そういう外的な報酬から、自分自身の中から内発的に生み出される有能感や自律感への、満足に影響を与える要因が変っていく。
感想
2010年7月28日水曜日
観光業と職務満足—旅行会社の場合
タイトル
観光業と職務満足—旅行会社の場合
Tourism and Job Satisfaction - The Case of Travel Agents
著者
山口 一美
掲載
立教大学国際学部紀要, Vol.17, No.1, pp.13-27, 2006.
アブストラクト
The purpose of this study was to investigate the relationship among job satisfaction, years of service to the company, years experiences, overtime hours, age, and personalities (self-monitoring, social anxiety, and optimism). 48 staff in travel agents completed a questionnaire of these. A factor analysis on the job satisfaction yield four factors: management satisfaction, human relationship satisfaction, growth satisfaction, and recognition by others' satisfaction. The multiple regression analysis showed that optimism, years experience, and social anxiety were the top three important predictors of job satisfaction.
キーワード
要約
〔研究の目的〕
「満足している従業員は適切な態度で顧客に接する」という仮説を前提に、職務満足に影響を与える要因を同定すること(その要因を元に採用や教育などを施すこと)を目的として、旅行業従事者を対象に、
�職務満足の下位因子(構成概念)の検討(因子分析)
�下位因子と、対象者のバイオフィー(具体的には:性別、勤務年数、経験年数、残業時間、年齢)や対象者のパーソナリティ(具体的には:セルフモニタリング、対人不安、楽観主義)との関係を、相関係数による分析と重回帰分析
の二つを実施した。
なお、セルフモニタリングは以下の2点から構成されるとして、それぞれを要素として取りあげている。
・自己呈示の修正能力
他者の要望に対して自分の行動を変えることが出来る能力
・他者の表出行動への感受性
他者の行動に敏感で何が適切かをすぐに見つけ出す能力
〔結果〕
職務満足は、以下の4つの下位因子からなることが分かった。(要するに「今の仕事の内容に満足している」というのは、以下の4つの因子について満足しているということ)
(1)経営満足 :収入、会社の経営や昇進に対する満足など
(2)人間関係満足 :同僚や上司との人間関係への満足など
(3)成長満足 :仕事によって成長する、やりがいがあるなど
(4)承認満足 :仕事に適している、認められているなど
そして、これらの因子間の関係については
経営満足は、他者からの承認など仕事に対する動機づけに関する満足とかかわりがあることが明らかになった。このことから、旅行業において、給与が単なる経済的欲求の充足手段ではなく、仕事の達成度のかくにんや会社からの評価につながることが示された。また、この傾向は女性の方で顕著であり、女性は給与による評価を望んでいることが示された。
職務満足の下位因子とバイオグラフィーとの関係に関しては、男女全体では、以下の2点の間のみ有意な相関があった。
・経験年数−人間関係満足(負の相関)
・経験年数−成長満足(正の相関)
このことから、職場の人間関係は重要ではあるものの旅行業の業務の場合には、個人的な顧客との対応が主な仕事であることから、仕事自体にやりがいを感じる機会が多く、その仕事を経験し続けることが可能であることが示された。
男女別では、女性については以下の2点の間に有意な相関があった。
・勤続年数−経営満足(負の相関)
・経験年数−人間関係満足(負の相関)
男性については、以下の1点の間に有意な相関があった。
・年齢−承認満足(正の相関)
このことから、旅行業に従事している女性は長く勤務あるいは経験しているものの、給与、会社の経営、人間関係に不満を持っていることが示された。また、人から認められているという感覚が強い男性ほど年齢が高く(年齢が高い男性ほど人から認めれれていると感じている)、また、承認満足の男女差においても男性が高いという結果からも、旅行業における管理者は女性が満足して仕事を続けることが出来るように、処遇制度の見直しや職場の人間関係の整備などを実施する必要があろう。
職務満足とパーソナリティとの関係に関しては、男女全体では以下の点で有意な相関があった。
セルフモニタリングにおける自己呈示の修正能力—成長満足(正の相関)
対人不安−承認満足(負の相関)
楽観主義−経営満足、成長満足、承認満足(それぞれ正の相関)
これらから、旅行業に従事するものは「楽観主義でセルフモニタリングの中の自己呈示の修正能力が高く、対人不安が低い」ことが、満足して積極的に仕事を行っていくために重要であることが示された。サービス業において、セルフモニタリングの中の自己呈示の修正能力が高いというパーソナリティを有していることが重要であるという先行研究を支持する結果であった。
重回帰分析から、旅行業に於いて、以下の2点のパーソナリティを持っていることが、高い職務満足につながるが明らかになった。
・楽観主義傾向が強い、
・(男性では)対人不安が低い
このことは採用の際に、これらのパーソナリティを持っているかに留意することの必要性を示唆しているといえよう。
今後の課題として、
1.給与額や昇給時期などと職務満足との関わりの検討⇒衛生要因である給与がどの程度、満足度に影響するのか
2.公的自己意識と職務満足との関わり、自尊心と職務満足との関わり、など他のパーソナリティとの関わりの検討
サービス業においては、これらが重要であるという知見がある。
※ 公的自己意識:他者から見られる自分を意識する傾向
3.エンパワーメントと職務満足との関係
エンパワーメントをもつことでどのような職務満足が向上するのか、それが従業者の定着率やロイヤリティにどのような影響を与えるのかを検討するべし。
旅行業では、個々の顧客のニーズに合わせたホスピタリティを提供する際に、マニュアルで決められた行動のみで体操することが難しいため。
※ エンパワーメント:従業者に自分の業務についての決定能力と権限を持たせること
感想
セルフモニタリングを「スキル」ではなく「パーソナリティ」に含めている点には違和感がある。。。まあ、結果は結果で考えれば良いが。
観光業と職務満足—旅行会社の場合
Tourism and Job Satisfaction - The Case of Travel Agents
著者
山口 一美
掲載
立教大学国際学部紀要, Vol.17, No.1, pp.13-27, 2006.
アブストラクト
The purpose of this study was to investigate the relationship among job satisfaction, years of service to the company, years experiences, overtime hours, age, and personalities (self-monitoring, social anxiety, and optimism). 48 staff in travel agents completed a questionnaire of these. A factor analysis on the job satisfaction yield four factors: management satisfaction, human relationship satisfaction, growth satisfaction, and recognition by others' satisfaction. The multiple regression analysis showed that optimism, years experience, and social anxiety were the top three important predictors of job satisfaction.
キーワード
要約
〔研究の目的〕
「満足している従業員は適切な態度で顧客に接する」という仮説を前提に、職務満足に影響を与える要因を同定すること(その要因を元に採用や教育などを施すこと)を目的として、旅行業従事者を対象に、
�職務満足の下位因子(構成概念)の検討(因子分析)
�下位因子と、対象者のバイオフィー(具体的には:性別、勤務年数、経験年数、残業時間、年齢)や対象者のパーソナリティ(具体的には:セルフモニタリング、対人不安、楽観主義)との関係を、相関係数による分析と重回帰分析
の二つを実施した。
なお、セルフモニタリングは以下の2点から構成されるとして、それぞれを要素として取りあげている。
・自己呈示の修正能力
他者の要望に対して自分の行動を変えることが出来る能力
・他者の表出行動への感受性
他者の行動に敏感で何が適切かをすぐに見つけ出す能力
〔結果〕
職務満足は、以下の4つの下位因子からなることが分かった。(要するに「今の仕事の内容に満足している」というのは、以下の4つの因子について満足しているということ)
(1)経営満足 :収入、会社の経営や昇進に対する満足など
(2)人間関係満足 :同僚や上司との人間関係への満足など
(3)成長満足 :仕事によって成長する、やりがいがあるなど
(4)承認満足 :仕事に適している、認められているなど
そして、これらの因子間の関係については
経営満足は、他者からの承認など仕事に対する動機づけに関する満足とかかわりがあることが明らかになった。このことから、旅行業において、給与が単なる経済的欲求の充足手段ではなく、仕事の達成度のかくにんや会社からの評価につながることが示された。また、この傾向は女性の方で顕著であり、女性は給与による評価を望んでいることが示された。
職務満足の下位因子とバイオグラフィーとの関係に関しては、男女全体では、以下の2点の間のみ有意な相関があった。
・経験年数−人間関係満足(負の相関)
・経験年数−成長満足(正の相関)
このことから、職場の人間関係は重要ではあるものの旅行業の業務の場合には、個人的な顧客との対応が主な仕事であることから、仕事自体にやりがいを感じる機会が多く、その仕事を経験し続けることが可能であることが示された。
男女別では、女性については以下の2点の間に有意な相関があった。
・勤続年数−経営満足(負の相関)
・経験年数−人間関係満足(負の相関)
男性については、以下の1点の間に有意な相関があった。
・年齢−承認満足(正の相関)
このことから、旅行業に従事している女性は長く勤務あるいは経験しているものの、給与、会社の経営、人間関係に不満を持っていることが示された。また、人から認められているという感覚が強い男性ほど年齢が高く(年齢が高い男性ほど人から認めれれていると感じている)、また、承認満足の男女差においても男性が高いという結果からも、旅行業における管理者は女性が満足して仕事を続けることが出来るように、処遇制度の見直しや職場の人間関係の整備などを実施する必要があろう。
職務満足とパーソナリティとの関係に関しては、男女全体では以下の点で有意な相関があった。
セルフモニタリングにおける自己呈示の修正能力—成長満足(正の相関)
対人不安−承認満足(負の相関)
楽観主義−経営満足、成長満足、承認満足(それぞれ正の相関)
これらから、旅行業に従事するものは「楽観主義でセルフモニタリングの中の自己呈示の修正能力が高く、対人不安が低い」ことが、満足して積極的に仕事を行っていくために重要であることが示された。サービス業において、セルフモニタリングの中の自己呈示の修正能力が高いというパーソナリティを有していることが重要であるという先行研究を支持する結果であった。
重回帰分析から、旅行業に於いて、以下の2点のパーソナリティを持っていることが、高い職務満足につながるが明らかになった。
・楽観主義傾向が強い、
・(男性では)対人不安が低い
このことは採用の際に、これらのパーソナリティを持っているかに留意することの必要性を示唆しているといえよう。
今後の課題として、
1.給与額や昇給時期などと職務満足との関わりの検討⇒衛生要因である給与がどの程度、満足度に影響するのか
2.公的自己意識と職務満足との関わり、自尊心と職務満足との関わり、など他のパーソナリティとの関わりの検討
サービス業においては、これらが重要であるという知見がある。
※ 公的自己意識:他者から見られる自分を意識する傾向
3.エンパワーメントと職務満足との関係
エンパワーメントをもつことでどのような職務満足が向上するのか、それが従業者の定着率やロイヤリティにどのような影響を与えるのかを検討するべし。
旅行業では、個々の顧客のニーズに合わせたホスピタリティを提供する際に、マニュアルで決められた行動のみで体操することが難しいため。
※ エンパワーメント:従業者に自分の業務についての決定能力と権限を持たせること
感想
セルフモニタリングを「スキル」ではなく「パーソナリティ」に含めている点には違和感がある。。。まあ、結果は結果で考えれば良いが。
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